2019年5月27日
(一社)日本印刷学会は、色評価用AAA蛍光灯の国内生産中止にともない、(一社)照明学会と協力し、2020年を目標に色評価用LED光源を用いる場合の印刷物観察条件ガイドラインを作成・改定すると発表した。
日本印刷学会では、1998年に「透過原稿、反射原稿及び印刷物の観察方法」と題して、反射原稿や印刷物を観察する方法を提示し、印刷物を対象とした印刷業界における観察条件のガイドラインを作成した。
同ガイドラインでは観察するときの照明光として、イルミナントはCIE昼光のD50、演色評価数Raは95以上、特殊演色評価数Riは90以上を規格としている。同規格を満足する常用光源として、印刷業界では長年の間、色評価用AAA蛍光灯が広く採用されてきた。
近年、時代の流れにより、色評価用AAA蛍光灯の代替品として市場に出回り始めた色評価用LED光源を、印刷物観察で使用するケースが増えているが、しかしLED光源において、前述の規格数値を満足していても、印刷物の色評価にバラツキがあることが日本印刷学会の学会発表において近年報告されている。
日本印刷学会は1998年の同ガイドラインを改定するにあたり、従来使用してきたAAA蛍光灯をLED光源にスムーズに移行するために、LED光源市場の現状を把握しながら進めることが重要と考え、日本印刷学会と照明学会のメンバーによるガイドライン作成ワーキンググループを立上げ、2020年を目標に、色評価用LED光源使用時の印刷物観察条件の検討と検証作業を実施し、ガイドラインを作成改定する。