ページの先頭です
TOWA(大阪)

特殊で過酷な印刷環境で損紙1/4に削減[Adamas採用事例]

厚紙を高速でUV印刷 -「適応資材の選定も重要」

 「G段を毎時2万枚で」─厚紙印刷の生産性・利益率向上に挑む(株)TOWA(大阪府東大阪市高井田中3-9-10、高本禎郎社長)は昨年11月、エコスリーの高耐刷性ガム処理プレート「Adamas(アダマス)」を全面的に採用し、「ショートランの厚紙ジョブを高速でUV印刷する」という、ある意味「特殊で過酷な印刷環境」において、損紙を1/4に削減することに成功している。

towa_adamas_takamoto.jpg
高本 社長


G段ダイレクト印刷の生産性・利益率向上に挑戦

 TOWAは、1983年に「東和印刷」として創業。輪転機と枚葉機を両翼としながら、商業印刷分野で急成長を遂げてきた総合印刷会社である。およそ10年前からは、とくに枚葉オフセット印刷事業への投資を活発化させ、後加工の内製化までを含めた「印刷事業の高付加価値化」へと大きく舵を切るとともに、当時売上の6割程度を占めていたオフ輪事業を、人員配置の再構築と並行して段階的に縮小させ、2018年12月には完全撤退。その後、2023年までは8色枚葉オフセット印刷機とLED-UV仕様の6色枚葉オフセット印刷機の2台体制となっていた。

 なかでも、2015年に実施した6色機の後付けLED-UV化をきっかけに厚紙分野の仕事が急増。同機はその後、G段の店頭什器を中心とした厚紙専用機として運用され、それに付随する後加工やアッセンブリも事業に取り込むことで高い利益率を弾き出してきた。

 そして2023年12月、当時最速と言われた毎時2万枚の印刷スピードを誇るKoenig&Bauer社製菊全7色+ニスコーターLED-UV機「Rapida106X」(紙厚0.04〜1.2ミリ)を導入。高生産性に加え、高度な自動運転のための数多くの機能が搭載されている同機は、「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金(A)先進事業」の対象として採択された印刷機でもあった。同社の設備投資もこの「省エネ補助金」の活用が起点となっており、この制度の枠組みの中で、「G段ダイレクト印刷の生産性・利益率向上」という挑戦に乗り出している。

 「商業印刷の需要が激減し、既設機の老朽化も進む中、一方でG段のダイレクト印刷をはじめとした厚紙印刷の需要は堅調に推移してきた。ただ厚紙の仕事は、単価自体は良いものの生産性は良くて8,000枚/時、悪くて5,000枚/時程度であり、時間を食い潰してしまう。Rapida106X導入の狙いは、この厚紙印刷の生産性向上による利益率の底上げにあった」(高本社長)

towa_adamas_rapida.jpg
毎時2万枚の印刷スピードを誇る「Rapida106X」

注目コンテンツ