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swissQprint Japan、第五世代機・Nyala5が日本初上陸 ショールームでオープンイベント

刷新された高速・高精度プリント技術を公開

 swissQprint Japan(株)(本社/横浜市港北区新横浜3-2-6、アドリアーノ・グット社長)は5月26日から30日までの5日間にわたり、本社内の新横浜ショールームにおいて、今年発表された第五世代のフラットベッドプリンタ「Nyala5」を紹介するオープンイベントを開催した。同イベントへの関心は高く、会期は予定より一週間延長されたという。今回、記者も期間中に同ショールームを訪れ、第五世代の魅力について副社長の岡部則之氏とアプリケーションエンジニアの田中宏典氏に説明してもらった。

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新横浜ショールームにて岡部副社長(右)と田中氏

第五世代の骨格を支える刷新構造

 今回、日本に初上陸した第五世代「Nyala5」は、これまでの「ベルト駆動方式」から「リニア駆動方式」へと大きな進化を遂げたモデルである。田中氏は「キャリッジ駆動がリニアになったことなどにより、印刷速度が従来比で約23%アップし、最大で253平米/時の出力が可能となった」と説明した。

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日本に初上陸した「Nyala5」


 また、内部構造も刷新されている。リニア駆動に耐える堅牢な設計とするため、フレームの剛性を大幅に強化。筺体の重量は従来機より700〜800kgほど重くなり、おおよそ2.4~2.6トンに達する。

 堅牢性が強化されたことにより、今後はプリンタのメンテナンスに要する時間も少なくなる見込みだ。田中氏は「当社では1年に1度実施する定期メンテナンスにてプリントテーブルの平滑性の調整を行い、最適な印字精度を保つようにしているが、第五世代では、その際の所要時間も少なくなる」と話す。

 実際、「スイスから空輸で運ばれてきた後の調整にかかる時間も、従来と比べて大幅に短縮された」と岡部副社長は話しており、その堅牢性の高さを物語っている。

進化したロールユニットと安全機構

 Nyala5では、フラットベッドだけでなくロールtoロール機構にも改良が加えられている。従来のロールユニットでは、上部のローラーのみモーターが搭載されていたが、第五世代では下部の巻き取りローラー部にもモーターが搭載されている。岡部副社長は「上下2つのモーターになったことで、従来よりも安定してメディアの供給ができるようになった」と説明した。

 さらに、swissQprintがロール専用機の「Karibu」で培ったノウハウを取り入れており、田中氏は「トルクの概念が入っているため、テンションがしっかりと掛けられるようになり、従来は出力が難しかったメディアにもフレキシブルに対応が可能になった」と説明。テンションの精度が増し、安定した高品質出力が可能になったという。

 そして安全性に配慮しながらも、生産性や品質を落とさない工夫が凝らされていることも特徴の1つだ。キャリッジ走行中にオペレーターが誤って手や顔を近づけた場合、他社メーカーのプリンタでは緊急停止させるタイプが多いが、Nyala5では「バリアセンサー」が作動して速度を緩める制御がなされている。これにより、再出力による非効率さや、再稼働により品質に与える影響などを最小限に止めることができる。

 万が一、接触があった場合、キャリッジは「メディアヒットセンサー」により停止するため、プリントヘッドは損傷による被害から防ぐことができる