佐久印刷所、最新鋭機導入で属人化を排除[ROLAND 700 Evolution導入事例]
最先端の自動化機能を多数搭載
長野県佐久市を拠点とする(株)佐久印刷所(臼田行孝会長、臼田大介社長)は、地域密着型の印刷会社として一般商業印刷物から教育書籍および絵本等の出版印刷まで、幅広いニーズに応えてきた。その同社では、このほどマンローランド社の「ROLAND 700 Evolution」の導入を決定し、地域社会と顧客へ印刷を通して、さらなるサービス向上を目指している。今年2月には、マンローランドジャパン(株)の小玉泰史社長や同社スタッフらが出席のもと、安全祈願の神事が執り行われ、多彩な自働化機能を搭載した最新鋭機は、本格稼働を開始した。

(株)佐久印刷所は、明治36年に創業、昭和26年に法人化され、地元関連の企業や自治体と、長年にわたっての信頼関係を築き、地元佐久市及びその周辺地域の発展に協力をしてきた。創業当時は帳票類、チラシ類の端物印刷からはじまり、戦後には出版印刷に参入し、現在は教育書籍、絵本等の製作印刷、一般企業、官公庁、フリーペーパーなどの商業印刷中心に活動を行っている。
少子化・デジタル化が進む中で、印刷物の需要は減少傾向にあるが、同社では、持続可能な成長を目指し、最新技術の導入の検討に着手した。
今回、同社が導入した「ROLAND 700 Evolution」は、最新の色見台PCに内蔵されているインテグレーションパイロットプラス2.0(印刷機中央管理ソフトウェア)で、事前に計画するジョブ準備の利便性やインキング機構へデータ通りに反映させるスピードの速さ、刷り出しまでの準備時間を短縮しながらも安定性のある高品質な印刷を実現する。

さらに、印刷機本体に備わったオペレーター特性をつかむ、最新の自己学習機能やトリプルフローインキング機構(インキ量可変分配機能)を標準装備しており、さらにクイックチェンジジョブプラスといったソフトウェア機能を用いて、ジョブ段取りを自動化し、作業効率の向上やコスト削減に寄与し、結果的に投資収益率ROIの向上に貢献する。
この最新鋭の印刷機の導入により、将来的に属人化を防いだうえで省力化が進み、人員配置の最適化を実現することが可能となる。
2020年に始まった新型コロナウイルスのパンデミックでは、「最初の数ヵ月こそ、打撃を受けたが、顧客の素早い復興に向けた取り組みや、自治体と連携した商品券の印刷、また雇用調整・休学・外出自粛に伴う書籍再版などの読書者増加により、全体として大きな落ち込みはなかった」と臼田社長は、述べている。また、「とくに偽造防止技術を活用した印刷と、印刷から加工までインハウスで行える点で各所より高い信頼を得ており、コロナ禍の影響を最小限に抑え、堅実な経営を維持できている」と、同社の強みを最大限に発揮したことで未曾有の危機を乗り越えることができたと振り返る。
最後に、臼田会長は「印刷業界は縮小と言われて久しいが、印刷がなくなることはない。創業以来100年を超えて掲げてきた佐久印刷所という社名を誇りに、これからも必要とされる企業として、技術やサービスを練り上げていきたい」と述べた。
マンローランドジャパンは、これからも地域社会と共に成長し続ける佐久印刷所にとって、最高のパートナーであり続けていく方針だ。そして今後も、佐久印刷所が先進的な印刷技術と普遍的な価値観を融合させながら、さらなる発展を遂げていくことを全力でサポートしている。
なお、マンローランドジャパンが提供する次世代オフセット印刷機「ROLAND 700 Evolution」は、経済産業省・一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)による【令和6年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(工場・事業場型)」】の「先進設備・システム」枠において、補助金対象設備として正式に採択されている。