2017年2月9日
凸版印刷(株)(金子眞吾社長)は、オフセット印刷の工程で紙幣に真贋判定可能な機能を付与する高セキュリティインキを開発。2月中旬から本格的な販売を開始する。
紙幣印刷用のインキに少量加えるだけで、その色や印刷適性に影響を与えることなく、近赤外線光源を用いた真贋判定効果を実現する高セキュリティインキ。近赤外線は、可視光線に近い特性を持つ電磁波で「見えない光」として、赤外線カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに使われている。通常のインキで印刷された絵柄は、近赤外線光源下では視認できないのに対し、同製品を混合したインキで印刷された絵柄は近赤外光源下で視認可能なため、紙幣処理機やATM、紙幣検知器に搭載された赤外線センサーで読み取ることで、簡単に真贋判定が可能である。また、高いセキュリティ性に加え、紙幣流通に求められる高い耐久性も備えている。
なお、本格販売に先立ち、メキシコ銀行が2月5日に発行したメキシコ立憲100周年記念紙幣のセキュリティ技術として採用された。またメキシコ銀行は、来年以降に順次発行する新シリーズのメキシコペソ紙幣におけるセキュリティ技術として採用することも決定した。