コニカミノルタジャパン(株)は、11月16日と17日の2日間、東京・浜松町のコニカミノルタショールームにおいて、印刷DXを支援するイベント「Accurio Days(アキュリオデイズ)2023」を開催し、デジタル印刷システム「AccurioPressシリーズ」の新機種を中心に印刷会社の「創注」を提案した。会場には、12のテーマゾーンが設置され、同社の推し進める「攻めのDX」(創注)と「守りのDX」(効率化)の2軸で印刷会社が取り組むべきDXの将来像をデモやパネル展示などを通じて発信した。
同イベントは、印刷前工程や後加工の自動化・印刷物の付加価値をあげるアイディアなど、これからの印刷に役立つ情報を「見て・聴いて・実感」してもらう場として開催されたもの。会場では、プロダクションプリンターのフラッグシップモデル「AccurioPress C14000」にトリマーユニット「TU-510」と自動帯掛け機を連携させた「インライン断裁仕上げ〜帯掛け処理システム」を展示し、印刷現場における省人化・自動化を図るワークフローシステムとして提案した。
新機種では、モニター画面に近い鮮やかな色合いを表現できるハイクロマトナー(高彩度トナー)採用のデジタル印刷システム「AccurioPress C84hc」を展示。同機は、独自の色再現性によりフォトビジネスやデザイン業務など新しい印刷需要を開拓した「AccurioPress C83hc」の後継機。高く評価を得たリアルな表現力に、断裁などの後処理、検品検査、用紙設定などを自動で行う豊富なオプション群を追加することで、印刷現場の効率化を推進し、ビジネス拡大をサポートする。
ハイクロマトナーの広い色域を活用することで、RGBのモニター色に近い色が再現できる。これによりCMYKトナーでは再現困難であった夕焼けの紫、花のピンク、ハイキーなグリーンやブルー等をよりリアルに表現できるので、アパレルカタログやファッション系のアイテム写真等で、フォトグラファーやデザイナーの意図をより忠実に伝えることが可能。ハイクロマトナーは、粒状感が少なく、肌のざらつき感が抑えられた滑らかなスキントーンが得られるため、スタジオ写真の印刷、フォトブック印刷などに最適で、また、アニメの下書きやイラスト、ピンクや明るいグリーンの多い同人誌など、作者の色に対するこだわりを忠実に再現する印刷物を提供できる。これによりインパクトのあるPOPやポスター、パッケージへの活用などの印刷を通じて製品や販促物の差別化も可能。
会場では、「AccurioPress C84hc」で黒ベタ出力した絵柄にデジタル加飾機「AccurioShine 101」で箔を転写。さらに箔を転写した用紙を再度、「AccurioPress C84hc」にてフルカラーで再出力し、多彩なメタリックカラー表現と、転写箔の上に正確にトナーを定着させる自動品質最適化ユニット「インテリジェントクオリティオプティマイザー(IQ-501)」の高精度な見当合わせ機能を披露。
近年では、型不要で簡単に印刷物に加飾表現が付加できることから、AccurioPressシリーズとAccurioShine 101をセットにした補助金申請が増えているという。そのため同社では、あらたにハイクロマトナー出力による高彩度印刷とデジタル加飾との融合による「創注」を訴求していく。
さらにこれまでAccurioPressユーザーから多くの要望が寄せられていた専用封筒フィーダーも初公開した。
AccurioPress専用封筒フィーダー「KM Feeder 240」は、連続給紙で封筒の高速大量処理を実現する。用紙は、角2、角3、長3、長4、洋長3、二つ折りカード、ハガキ単面に対応。専用のアタッチメントを装着することで安定給紙を実現し、オープンフィーダーのため、搭載する用紙数を目視確認できるので、なくなり次第順次、封筒を追加することもできる。
さらに従来の封筒印刷では、処理速度が半減するが専用の封筒定着ユニットを装着することで等速での印刷が可能となる。これによりデジタル印刷機の機能を落とすことなく、高速・高生産を実現する。なお、現時点では、AccurioPress C4008専用となっている。
モノクロ機では、新機種の「AccurioPress 7136」を紹介。「AccurioPress 7136」は、2018年に発売開始した「AccurioPress 6136」と「AccurioPress 6120」の後継機。高生産性と高信頼性をさらに追及した「AccurioPress 7136シリーズ」では、印刷現場の課題解決を推進し、収益拡大をサポートする。具体的には、かんたん設定機能により高画質印刷をスキルレスで実現。これにより、印刷機の操作経験が浅い担当者でも画質を最良にするための設定をより少ない操作で行うことができる。
さらに自動品質最適化ユニット「インテリジェントクオリティオプティマイザー(IQ-501)」の「1to1印刷(バリアブル印刷)の自動検査機能」が利用可能。印刷と同時に対象領域の読み取り結果をCSVデータとして保存することにより、人の手による検査工数が大幅に削減できる。空いた時間を他の印刷作業や付加価値の高い業務に充てることで印刷会社の収益拡大に貢献する。
会場では、「IQ-501」による可変印刷部分の検品機能などをデモで紹介した。