2016年8月24日
国宝「三重塔」初層内部の現在の様子(左)と彩色再現した様子(右)
凸版印刷(株)(金子眞吾社長)は、鎌倉時代に再建された興福寺(奈良県奈良市)の国宝「三重塔」内部に極彩色の文様が広がる様子をデジタルで再現し、ヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」)で体験できるVRコンテンツを製作した。8月26日から興福寺で開催される「興福寺国宝特別公開2016 五重塔・三重塔」の会場で初公開される。
興福寺最古の建造物である国宝「三重塔」の塔内には、微細な千躰仏や極彩色の文様が描かれていたが、現在は経年劣化により剥落し、大部分が失われている。
今回、凸版印刷は三重塔の内部を高精細にデジタル撮影し、38億4千万画素におよぶデータを取得。従来培ってきたVR技術を用いることにより、三重塔の内部に入って現在の塔内と千躰仏や文様を色鮮やかに再現した塔内とを360度鑑賞できるVRコンテンツを製作。特別公開では、三重塔の目の前でHMDを装着することで、目の前に見えている塔の内部に入り、彩色再現された往時の空間にタイムスリップしたかのような鑑賞体験をすることができる。