2016年5月19日
大日本印刷(株)は、有機ELディスプレーの製造に使用する蒸着マスク(メタルマスク)の生産ラインを広島県三原工場に増設し、生産能力を3倍に引き上げる。市場の拡大に合わせて、2020年までに60億円の設備投資を継続的に実施し、生産能力の拡大に加えて高精細化にも対応することで、スマートフォン向けの同製品で圧倒的な世界シェアを持つ強みをさらに拡大させていく。
有機ELディスプレーは、自ら発光する有機分子層を電極で挟んだ構造で部材点数が少ないため、薄型化が可能で、曲げたり丸めたりという動作にも強いため、次世代のディスプレーとして注目されている。DNPは、独自のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かし、2001年にメタルマスクの開発を開始し、現在ではスマートフォン向けを中心に高いシェアを獲得している。今後、市場の急速な拡大に対応して、有機ELパネルメーカーも積極的な設備増強の計画を進めており、DNPもその需要に対応すべく今回の設備投資を決定した。