2008年2月15日
(社)日本印刷産業連合会(山口政廣会長、以下「日印産連」)は、環境対応型インキの基準未達問題を受けて印刷インキ工業連合会(小江紘司会長)から2月 12日に提出された報告書の内容を検討した結果、一部不明な点があるとして15日、印刷インキ工業連合会に対し質問書を提出した。日印産連では25日までの回答を求めている。
環境対応型インキの基準未達問題は、インキメーカー数社が、再生紙の古紙配合率問題などの発生を受けた社内調査で、「ソイシール」や「エコマーク」を添付した印刷インキの一部に、基準を満たしていない製品があったと発表したことで明らかにあったもの。
これを受け、印刷インキ工業連合会は、2月4~7日にかけて、印刷インキ工業会および印刷インキワニス工業会の会員60社を対象に、オフセットインキ、新聞インキ、それ以外の包装紙や段ボールなどの印刷用インキの3品目について、それぞれソイシール、エコマーク添付製品の出荷量と、その基準を満たしていないインキの出荷量について調査し、その結果を日印産連に報告書として提出している(詳細既報)。
今回日印産連では、同報告書に一部不明な点があるとして、改めて印刷インキ工業連合会に質問書を提出、25日までの回答を求めている。
質問は以下の4項目。
▽新聞インキを除く基準未達のインキについて、その割合が数パーセントにとどまっているが、この製品は一般の販売品なのか。それとも、回答に「一部のお客様」とあるように、ごく一部のユーザーに限られた特注品なのか。もし、一般の販売品も含まれているのであれば、その該当する製品名(銘柄)の一覧の提供を求める。
▽基準を満たさない製品の出荷先(印刷会社)の特定をどのように行ない、出荷先に対しては、いつまでに、事情説明及びその他の方策を取る予定なのか。
▽今後の再発防止策として、インキ業界(連合会)としての具体策は。またその対策は、いつまでを目途に実施する予定なのか。
▽今後は、環境表示・品質保証のあり方及び印刷適性も踏まえた環境対応型インキのあり方などについて、インキ業界と印刷業界と連携して協議を進めたいが、そのような意向はあるのか。
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質問書の中で日印産連側は、「印刷産業界は業界をあげて環境に配慮した印刷製品作りを推進し、また印刷関連工場・事業所の環境配慮を推進しているところであり、印刷産業界の自主基準として、日印産連『オフセット印刷サービス』グリーン基準、ならびに同基準に基づいたグリーンプリンティング認定制度を展開している。このような中、印刷製品を構成する資材である紙そしてインキに関し、製品表示またはマークなどに記されている環境配慮基準を満たさない製品が供給されていた事実があったことは誠に遺憾である」とし、基準の遵守やコンプライアンスの徹底などの再発防止に向けた取組みを求めている。