2024年8月21日
北都レスター(株)(宮城県仙台市宮城野区日の出町2-2-39、設立1980年5月、資本金5,000万円)は8月19日、仙台地裁へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。負債総額は、債権者約400名に対し約12億9,000万円。
(株)レスター(東京都小金井市、1996年4月再度の資金ショート)の仙台営業所を分離するかたちで設立された。本社のある宮城県のほか、東京都、埼玉県、神奈川県に営業所を開設、2019年には新潟営業所を開所するなど関東方面への営業を強化していた。ビジネスフォーム、平版印刷、手書用連続伝票印刷を主体に、カラーオフセット印刷、カレンダー印刷、ダイアリー印刷等の商業印刷部門も展開していた。
2011年3月に発生した東日本大震災に伴う津波の影響で当時の本社・工場が全壊する被害を受け、2011年4月期は経常赤字約1億3,300万円を強いられたほか、約2億円の災害損失を特別損失として計上したため、約3億1,300万円の赤字となり債務超過に転落した。
震災以降は関東方面への営業を強化し、2017年4月期にはピークとなる売上高約10億8,000万円を計上したが、デジタル化の普及による紙媒体需要の低下等を受け、その後の業績は伸長性を欠き、2021年4月期は売上高が約9億円に落ち込んだ。
近時は新型コロナ関連の制度融資などを利用して資金繰りを維持してきたが、その後も業績改善には至らず業績はジリ貧で推移。2024年4月には前社長が死去したことに加え、紙やインク等をはじめとした原材料価格の高止まりによる利益率の悪化が決定打となり、事業継続を断念した。
(東京商工リサーチ調べ)