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ECO3が示す次の一歩[エコスリージャパン 代表取締役社長 岡本勝弘氏]

答えのない時代をお客様とともに

 2026年を迎え、エコスリージャパンは印刷業界の構造変化を真正面から捉えつつ、ユーザーおよび自社の競争力強化に向けた新たな取り組みを進めている。存在感を着実に高める同社の2025年の振り返りとこれからの戦略について、岡本勝弘社長に話を伺った。

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岡本 社長


業界だけでなく、自社の存在価値も再定義

 「ここ数年、物価上昇、国際情勢の不安定化、人材不足といった課題が長期化し、社会全体が先の見えにくい状況になっている。印刷業界も同様で、かつての需要構造とはまったく異なるフェーズに入った」と岡本社長は語り、2025年を「従来の延長線では判断できない局面が増えた一年」と総括する。

 「紙の内需はピーク時の約4割。需要が増える見通しは立たない。加えて原材料高騰、エネルギー価格、為替相場など外部環境も読みづらい。だからこそ『何があっても持続的に事業を続けられる基盤』を整える必要がある」

 その中で、ECO3は印刷業界を再定義、そして自社を再定義して構造変化の進む業界でユーザーから選ばれる会社になるために様々な取り組みを行ってきた。

変化の激しい時代で答えを見つけられる人材

 「予測できない時代における人材育成は、従来の決まった成功パターンを教え込むのではなく、変化に適応し、自ら考えて行動できる『自立型人材』の育成が鍵になると思っている」と岡本社長は語り、「ECO3では今年2年目となるが、ビジネススクールパートナーとECO3社員向けのオリジナルの教育プログラムを開発し、ECO3 mini MBAプログラムをスタートさせた。1年間のプログラムではマーケティングから経営まで幅広い科目を履修する。社員は仕事をしながら昼休みなどにグループワークを行ったり、課題を行ったりと『楽苦しい』一年間のプログラムをこなした」と2025年は社員育成に力を入れている。

 岡本社長は続けて「仕事をしながら勉強するというのは大変だが、アメリカやヨーロッパの先進国では一般的に行われていることであり、とくに予測できない時代の中で自分の力をつけていくことは競争社会の中で大事だと思っている。1年のプログラムを終えて受講者は大きく成長したと感じる」とし、岡本社長の目指す人材育成におけるゴールについて「変化を恐れず、あらゆる情報から先を読み、答えのない時代に自分で答えを作っていく自立型人材の育成」とし、今後の社員が目指す姿を明確にした。

 「第2回mini MBAプログラムはグローバルな視点を持つことができるGlobal mini MBAのプログラムをスタートさせた。直面する課題の答えはいつも日本国内にあるものではない。業界や自社の抱える課題の答えはもしかしたら国内ではなく外国かもしれない。幅広い視野を持つために学ぶグローバルビジネス講座はボーダーレスの時代に必要不可欠なスキルだと思っている」と今後の同社の教育方針を語る。

常識にとらわれず、ユーザーにとっての「ベスト」を見つける

 2025年、ECO3の主力であるガム洗浄方式の現像レスCTPプレート「Azura」「Adamas」は、引き続き市場から強い注目を浴びた。岡本社長は、その理由をこう語る。

 「ガム洗浄方式は環境負荷が低く、作業者にも優しい。そして『視認性』の高さは現場で非常に評価されている。また現像レスであるため、工程のブレが少なく、品質の安定性は抜群。これは毎日大量のプレートを扱うお客様にとって、非常に大きなメリット」

 一方で、市場では「最も効率的なのは『無処理版(プロセスフリープレート)である』という意見が強い。しかし岡本社長は、そこに丁寧に向き合う姿勢を示す。

 「確かに、市場では『無処理版こそ最も良い』という認識が広く浸透している。弊社自身も無処理版を開発・販売している。お客様の経営理念や設備環境によっては、無処理版がベストな選択肢となるケースがあると感じている」

 しかし、ECO3の想いは「業界の常識にとらわれない」という考え方だ。

 「実際には、無処理版にもメリットとデメリットがあり、従来のアルカリ現像版、弊社の扱う現像レスガム洗浄版にもメリットとデメリットがある。大事なことはこれらのどちらが優れているかではなく、どういう経営スタイル・作業環境・品質基準を目指す会社なのかによって最適解は変わるべきだと思っている」

 その上で、岡本社長はエコスリージャパンの営業方針を説明する。

 「弊社営業はお客様にベストマッチしたCTPプレートを提案したいと思っている。時代の流れが無処理版だから使ってくださいとか、自社の考えを押し付けるようなモノ売りはしたくない。機上現像による印刷機への影響を考慮するお客様へは従来通りのアルカリ現像版を用意しているし、環境対応に取り組むお客様へは現像レスガム洗浄プレートも用意している。常に本質を見極めてお客様に最善のプレートを提案したい。実際は数種類のプレートをラインアップすることは不効率であることは間違いない。しかし、日本の印刷市場は印刷品質や印刷プロセスに高い意識を持っているお客様が多い。そのお客様の気持ちを叶えるには必要なことだと思っている」

 業界の常識にとらわれず、「本当に現場に適した方式とは何か?」を問い直す姿勢こそが、ECO3の強みだと言えるだろう。