国府印刷社、P・Iショーで「色変わるメモ帳」が大賞
余剰紙を使用したサステナブルなメモ帳
使うたびに「表紙の色」が変化
(株)国府印刷社(本社/福井県越前市、有定耕平社長)の「色変わるメモ帳」が、第72回インターナショナル プレミアム・インセンティブ(P・I)ショーの「SUSTAINABLE SELECTION AWARD」において大賞を受賞した。印刷工程で生じた色上質の余剰紙を活用するとともに、メモ用紙を1枚使うたびに表紙の色合いが変化する独自の仕掛けが評価された。もともとは一般消費者に販売する商品として生まれた文具だが、受賞を機に企業ノベルティなどBtoB分野へと展開を広げている。

福井県内の文具チェーン店で「MEKURUシリーズ」として展開
「今回は、企業PRというよりも、一般のお客様に向けた『物売り』の場として出展にチャレンジしました」。
有定社長は、毎年地元で開催されている「越前モノづくりフェスタ」への出展について、こう語る。
「来場者は一般消費者の方が多く、これまでなかなかビジネスに結びつかないこともあり、毎年出展する中で、どこかもどかしさを感じていました」
そこで同社は今回の出展にあたり、これまでの企業PR中心の姿勢を見直し、自社オリジナルの文具商品の販売に挑戦。メモ帳や封筒、一筆箋、和紙を使ったノート、紙製ファイルなどを、多品種少量で展開した。
社員自らがイラストを描くなど、印刷会社として培ってきた技術に「人の手」の要素を掛け合わせた商品づくりを行い、来場者に向けて新たな価値提案を試みた。
そのような中で生まれたのが、余剰紙を活用したサステナブルな「色変わるメモ帳」である。印刷工程で発生する色上質の余剰紙をランダムに組み合わせ、めくるたびに表紙デザインの色が異なる構成としているのが特徴だ。考案したのは、同社の現場スタッフで、現場の発想から生まれた商品である。
2025年末からは、福井県内に6店舗を展開する文具店チェーン「ホリタ文具」での取り扱いを開始し、BtoCの販路を広げている。
シリーズ第一弾として販売中の「色変わるメモ帳」は、女性の後ろ姿を表紙デザインにした「和めくり」として展開。「めくる」という行為そのものに価値を見いだしたブランドとして育成していく構想で、実用新案の出願も行った。
大賞受賞を追い風に、BtoB展開が加速
P・Iショーで「SUSTAINABLE SELECTION AWARD」の大賞を受賞したことで、「色変わるメモ帳」への注目度は一気に高まった。早速、保険会社の外交員が年末に配布するノベルティとして採用されたほか、P・Iショーに来場していた大手の会社からも問い合わせが入るなど、BtoB分野での引き合いが相次いでいる。
見積り依頼は2025年12月現在でも多数の会社から寄せられているようで、有定社長は「大賞を取ったことにより、話を聞いてもらいやすくなった」と受賞の効果を実感している。
同製品は、表紙に中面が透けて見える厚手フィルムを採用しているのが特長。ランダムに組み合わされたメモ用紙を1枚使うごとに、中面の色が表紙に反映され、見た目の印象が変化する。10色をランダムに組み合わせた100枚つづりの紙を1セットとし、サイズは75×75mmを基本としている。
また、デザイン変更による横展開がしやすい点も強みで、地元でも数社ですでに引き合いが来ている。今後は、企業ロゴを入れたオリジナルノベルティとしての活用も見込んでおり、BtoBを事業の柱の1つに育てていく考えだ。

越前和紙、推し活向けの商品への応用も視野
同社はさらに、「色変わるメモ帳」のアイデアを基に、越前和紙の産地という地域性を生かし、越前和紙で作られた「友禅千代紙」を使用した新シリーズを商品化した。友禅千代紙が日本の伝統的な着物の柄に似ていることから、「商品」としての存在感を高め、インバウンド需要も視野に入れる。外国人には折り紙としての用途をわかりやすくするため、説明書には鶴の折り方のイラストをつけた。
このほか、福井県が恐竜で知られていることから、恐竜の肌の質感に近いレザック紙を用いた試作品や、アニメ版権を想定した推し活グッズなどへの応用も検討している。印刷需要が変化する中、新たな収益源とすることを目標に掲げており、「来年のP・Iショーでは、さらに進化させた形を見せたい」と有定社長は意気込みを語る。
加飾技術展2026、P・Iショー春2026に出展
また、色こより綴じやきらめき箔の商材を展開している同社は、1月23日に大阪産業創造館 で開催される「加飾技術展2026」と、4月8日・9日・10日に東京池袋・サンシャインシティ 文化会館で開催される第73回インターナショナル プレミアム・インセンティブショー春2026に出展する予定である。












































