コダック、オフセットとデジタルの共存へ
ハイブリッド営業を推進〜「One KODAK」具現化へ
4つの製品ポートフォリオを軸に、「オフセットとデジタルの共存」を提唱するコダック。2026年は、これら両分野の「ハイブリッドセールス」体制をより本格化させ、印刷業界へのコミットメントを強化していく。そこで今回、1月1日付けでコダックジャパンの代表執行役員に就任した中川武志氏に、それぞれの分野における現状と2026年のソリューションについて語ってもらった。

マーケットに対する「責任」
コダックの事業全体の7〜8割を占める印刷関連ビジネスは、プレート、CTP機器、ワークフローを三位一体とするオフセット印刷事業と、「唯一無二」の尖った製品ポートフォリオを持つインクジェット事業を両輪とし、昨年はいずれの分野でも成長できた1年だった。一方、ワールドワイドでは第2四半期の決算発表時に、債務返済に対する年金制度見直しに関する報道がクローズアップされ、一部誤解を招いたことで皆様にはご心配をお掛けしたが、日本においては迅速にその釈明を行ったことで何ら混乱は起こらなかった。今回の件で、改めてコダックに対するお客様からの信頼に感謝するとともに、マーケットに対する「責任」を痛感した。
「チャプター11」に基づき事業再建手続の申し立てを行った2012年の時と同様に、「コダック」というブランドに対するお客様からの期待は依然として大きいということを我々が再認識し、「数字の成長」だけではなく、自社の存在価値をより意識できたことは、「One KODAK」を標榜する我々に良好な緊張感を与えてくれたと感じている。この不確実性の世の中で、継続的にビジネスを展開していける組織づくりのひとつの要素として作用したと確信している。私自身、このことが昨年における最大の成果だったと感じている。最新の当社事業状況として新規事業を中心に売上・利益・キャッシュフローともに計画以上に推移しており、当社事業の健全性は間違いなく担保されていることは市場へのメッセージとしてお伝えしたい。
無処理版への移行提案は、メーカーとしての責務
昨年は、これまで分断されていたプリプレス関連とデジタルプレス関連のセールスを組織として融合し、「ハイブリッドセールス」に切り換えた。代理店も含めた「One KODAK」の体制をさらに強化し、その成果が数字としても表れている。
これは、drupa2024でコダック社が掲げた「オフセットとデジタルの共存」という重要なテーマに沿った取り組みで、そこには我々が「印刷業界にコミットする」というミッションにおいて、従来のソリューションとデジタルソリューション両方の完全なポートフォリオ全体にわたるイノベーションを実証していくという強い意志がある。
まずプレートについては、市場で完全無処理版がデファクトになりつつあるため、伸び率は鈍化しているものの、プロセスフリープレート「SONORA」の出荷量および採用件数はともに伸びている。とくに昨年は、「SONORA XTRA」の基本性能が市場で高く評価されたことで、商業印刷はもちろん、出遅れていた新聞の分野でも競合製品からのリプレイスが進んだ。
現在、コダックのプレート出荷量全体の7割がSONORAとなっており、採用印刷会社の数では8割におよぶ(新聞は100%)。ただ、現在のプレート性能では、有処理版から無処理版に移行できないお客様も存在するのは事実。そこを製品開発も含めて如何に誘導していくか。省力・省人化やコスト面でメリットがある完全無処理版への移行の提案は、メーカーとしての責務であると考えている。

一方、三菱王子紙販売(株)との協業による製版フィルム出力ソリューションは、当社に新たな市場をもたらしている。
現在、スクリーン印刷やフレキソ印刷、プリント基板製造などの分野では、製版用フィルムが使用されているケースが多くあり、近年ではイメージセッターの老朽化や消耗品の販売終了などが課題となっている。これに対し、同ソリューションは、コダックのプレートセッター「TRENDSETTER」で現像処理薬品を必要としないドライ方式の三菱製紙サーマルレーザーフィルム「TRF-IR830」を出力し、これらの課題を解決するもの。このチャレンジは、プレートセッターの販売に大きく寄与し、実績を積み上げることができた。












































