2020年紙・板紙の製紙メーカー国内出荷量は前年比0.5%減と予測
(株)矢野経済研究所(水越孝社長)はこのほど、国内外の紙・板紙市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
日本製紙連合会資料によると、2018年の紙・板紙の製紙メーカー国内出荷量は、前年比1.4%減の2,454万2,000tとなった。このうち、紙は同3.6%減の1,301万7,000tと、紙の内需は5年連続の減少であった。新聞・雑誌、チラシの減少、ICT化による影響など、需要構造の根本的な変化により印刷情報媒体としての紙は減少しており、減少幅は今後拡大していく可能性が高い。
一方で、板紙は前年比1.2%増の1,152万5,000tとなった。2018年は猛暑であったことで、段ボール原紙の最大需要分野である飲料向け需要が堅調だった。また、EC拡大による通販向けの段ボール需要も堅調に伸びている。段ボール原紙など産業資材については、増減はあるが当面、微増基調が続くとみている。
2020年以降、東南アジアや北米、日本でも段ボール原紙の増産ラッシュの見込み
段ボール原紙の世界規模の需要は、今後確実に拡大する見込みである。そのため、世界の製紙メーカーでは、印刷用紙から段ボール原紙、衛生用紙への生産シフトが進んでいる。東南アジアやインドでは、当面1,500万t規模の段ボール原紙設備の増産計画があり、北米でも300万t規模の設備投資が予定されている。日本でも一部生産設備廃棄分を除けば、80万tの増産が計画されている。
2020年の紙・板紙の製紙メーカー国内出荷量を、前年比0.5%減の2,390万tになると予測している。印刷情報媒体においては、引き続き構造的な減少要因から逃れられないものの、東京オリンピック・パラリンピックや民法改正などの影響による需要喚起要因に期待したいとしている。段ボール原紙については、大規模な天候不順等がなければ、微増ペースで推移する見通しであるという。
ピックアップ
-
特集
青葉堂印刷、カレンダー製作の「ニッチトップ」へ〜卓上カレンダー台紙の折加工・糊付を内製化
-
特集
パラシュート、ワンオペ可能なMIS〜メーカーワークフローと連携実現
-
特集
ホリゾン、自動化から無人化へ〜連携で実現する生産改革を提案
-
特集
佐久印刷所、最新鋭機導入で属人化を排除[ROLAND 700 Evolution導入事例]
-
躍進企業
TOWA(大阪)、特殊で過酷な印刷環境で損紙1/4に削減[Adamas採用事例]
-
注目コンテンツ
NPCコーポレーション、脱・紙の発想で「目的に寄り添う提案」〜印刷会社らしくない感性で創注
-
注目コンテンツ
swissQprint Japan、第五世代機・Nyala5が日本初上陸 ショールームでオープンイベント
-
躍進企業
池田紙器工業(熊本)、初の国産断裁機導入で信頼と安心感
-
特集
吉田印刷所、脱プラ製品「グラスパック」に新提案
-
特集
土岐ダイナパック、生産量の増加を実現〜オペレーターの負荷低減にも貢献
-
特集
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
-
特集
新和製作所、「エナジー・エリート」で乾燥促進印刷強化