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生活者のメディア接触をスマホが牽引

 (株)博報堂(本社/東京都港区、名倉健司社長)のメディア環境研究所は、生活者のメディア接触の現状を捉える「メディア定点調査」を2006年から毎年1月末から2月頭にかけて実施し、メディア接触時間や生活者のメディア意識など時系列分析から見えてきたメディア環境の変化を報告している。今回、その最新の調査結果を公表した。

 同調査は、2025年1月24日から2月7日まで、15歳から69歳までの男女を対象に実施され、有効回答数は650サンプルとなった。

 同調査によると、メディア総接触時間は440.0分(1日あたり/週平均)。「携帯電話/スマートフォン」は昨年からさらに3.4分増加し、過去最高の165.1分となった。近年、減少傾向が続いていた「テレビ」(122.1分、昨年差=0.4分)「雑誌」(9.2分、昨年差=0.3分)は下げ止まり、「ラジオ」(24.0分、昨年差=+1.0分)「新聞」(10.7分、昨年差=+1.5分)は、プラスに転じる結果となった。メディア接触時間は「携帯電話/スマートフォン」の牽引により、引き続きコロナ前よりも高い水準で推移している。

 コロナ禍をきっかけに急成長していた各種配信サービスは「定額制動画配信サービス」(64.3パーセント、昨年差0.2ポイント減)、「定額制音楽配信サービス」(48.3%、昨年差=2.7ポイント減)など、今年は軒並み横ばいとなった。その中で「TVer」は、さらに利用者を増やし、約6割まで増加(59.7%、昨年差5.9ポイント増)し、2020年から利用率は約3倍に拡大している。(2020年=19.8%、2025年=59.7%)。

 テレビスクリーンで見ているものについて、利用率で比較をすると「録画」は減少(69.6%、昨年差5.4ポイント減)した一方、TVerなどの「見逃し配信」は増加し、5割(50.0%、昨年差=4.9ポイント増)。また、「無料動画」(55.7%、昨年差=2.5ポイント増)、「有料動画」(48.2%、昨年差=2.9ポイント増)も微増し、いずれも約5割となった。

 コネクテッドテレビの普及を背景に、いよいよ本格的にテレビでの配信コンテンツ視聴が定着したことがうかがえる結果となった。テレビスクリーンのマルチプラットフォームデバイスとしての存在感が高まっている。

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