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視点の行方

経済産業省-消費税転嫁状況(6月)を公表

印刷ジャーナル 2019年8月25日

 経済産業省では、平成26年4月の消費税率引上げを踏まえ、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査(モニタリング調査)を平成26年4月から実施している。このほど、令和元年「6月調査」の調査結果を取りまとめて公表した。
 調査結果の概要では、転嫁状況について、事業者間取引では86.6%、消費者向け取引では76.8%の事業者が「すべて転嫁できている」と回答し、前回比でそれぞれマイナス1.5ポイント、マイナス0.6ポイントであった。「まったく転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では2.5%、消費者向け取引では4.0%で、前回比でそれぞれプラス0.3ポイント、プラス0.3ポイントであった。
 事業者間取引における転嫁できた理由としては、55.7%の事業者が「以前より消費税の転嫁への理解が定着しているため」と回答。次いで、「消費税転嫁対策特別措置法により消費税転嫁拒否行為が禁止されているため」が31.3%、「本体価格と消費税額を分けることにより、交渉しやすくなったため」が25.3%であった。
 事業者間取引における転嫁できていない理由としては、48.0%の事業者が「自社商品等の競争が激しく、価格を引上げると他社に取引を奪われてしまうおそれがあるため」と回答。次いで、「取引先の業界の景気が悪く、消費税分の値上げを受け入れる余裕がないと考えられるため」が26.6%、「自社が下請事業者であるなど、取引先との力関係で立場が弱かったため」が21.8%であった。
 実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した391社の事業者のうち、「価格の交渉時に、消費税率引上げ分の全部又は一部を上乗せしないとされた」と回答した事業者が最も多く39.1%、次いで、「代金の支払い時に、消費税率引上げ分の全部又は一部を上乗せしないとされた」が27.6%であった。
 消費者向け取引における転嫁できた理由としては、66.6%の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透しているため」と回答。次いで、「本体価格と消費税額を分けて記載することにより値上げへの反発が和らいだため」が28.3%であった。
 経済産業省では引き続き、転嫁状況の監視・取締りなどを通じ、転嫁拒否行為の未然防止を図るとともに、違反行為に対しては厳格に対処していくとしている。