コニカミノルタ、UVインクジェットを実現させた技術と展望
真の生産機として進化〜品質・生産性・効率化を技術力で証明
コニカミノルタ(株)は、2025年3月に開催されたJAGATトピック技術セミナー2025において、コニカミノルタが実現させたUVインクジェット技術と展望について講演を行った。コニカミノルタは、2016年にAccurioJet KM-1を発売し、以来、様々な技術革新を通じてユーザーのビジネスを支援している。今回、同セミナーにおいて解説された、そのUVインクジェット技術について紙面にて詳しく紹介する。講師は、10年以上インクジェット関連の事業に携わっているコニカミノルタの木戸真一郎氏(プロフェッショナルプリント事業本部)が務めている。

コニカミノルタのUVインクジェット印刷機の進化
まずは、プロフェッショナルプリント事業の産業印刷領域の主力製品である29インチ枚葉UVインクジェット印刷機「AccurioJet KM-1」について詳しく紹介する。
2016年に、コニカミノルタは「AccurioJet KM-1」を発売した。この画期的な印刷機は、毎時3000枚という高生産性を実現し、B2デジタル印刷市場に大きな変革をもたらした。以来、AccurioJet KM-1シリーズは多くのユーザーのビジネスに寄り添いながら進化を続けている。
2020年には、さらに進化したモデル「AccurioJet KM-1e」を発売。このモデルはUVインクジェットの利点を最大限に活かすため、メディア対応力を拡大した。透明プラスチック、有色紙、蒸着紙、キャンバス紙などに対応し、生産機としてのアプリケーションの幅を広げている。もともとオフセット印刷品質が売りのAccurioJet KM-1シリーズだが、2022年には、さらなる高画質化を実現したオプション「HD(High definition)モード」が登場。このモデルは一般商業印刷だけではなく、フォトアルバムや高級カタログ、パッケージなどの市場にも用途を広げている。2023年にはインラインの自動検査ユニットを搭載し、画像品質やメディア対応力とあわせて、ユーザーのワークフローの効率化やコスト削減も実現している。
そして2024年に開催されたdrupaでは、新たなモデル「AccurioJet 60000」(発売時期未定)を発表した。AccurioJet 60000は、2016年から進化を続けたUVインクジェット技術の集大成であり、B2サイズ毎時6000枚という飛躍的な生産性を実現する。自己診断・品質管理機能が充実しており、自動化によって処理速度が最大限に高まり、稼働時間が長くなることで生産効率の大幅な向上が期待できる。

こうしたデジタル印刷に関する技術革新を通じて、コニカミノルタは地球環境への負荷を軽減するだけでなく、働く人々の負担も減らすことを目指している。匂いや残留物を軽減したクリーンな労働環境の提供や作業の効率化による従業員の負担軽減など、地球にも人にも優しい環境の実現を目指した製品開発を続けている。