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シンクイノベーション、OGBS2025で自動機5機種を一般公開

「グッズ製造の未来工場」を体現

 グッズ製造現場に大転換期が到来した--。9月30日と10月1日、東京池袋・サンシャインシティで開催された「オーダーグッズビジネスショー(OGBS)2025」において、シンクイノベーション(株)(本社/愛知県名古屋市、三輪直之社長)が一般公開した5機種の新製品は、製造現場の常識を覆す自動化技術として注目を集め、まさに「グッズ製造の未来工場」を体現するものであった。今回、三輪社長にブースツアーとして案内してもらった。

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缶バッジフレキシブル自動製造機の前で三輪社長

多品種・省人化を両立する「缶バッジフレキシブル自動製造機」

 最初に紹介されたのは、缶バッジ自動製造機シリーズの中位モデルとして位置づけられる「缶バッジフレキシブル自動製造機」である。缶バッジの上のパーツ、下のパーツを置いていくと自動で供給されていき、紙もA4でカットしておけば、自動でカットして搬送する構造になっている。最大の特徴は、治具の交換により、57ミリ以外のバッジにも柔軟に対応できることだ。三輪社長は「缶バッジの受注は57ミリが全体の7割を占めるが、大きいサイズの缶バッジなど、それ以外のサイズもこの自動機なら同一ラインで対応できる」とそのフレキシブルな特徴に自信を見せる。今回の出展機種の中でも一番人気のようで、三輪社長は「まだ展示会が開催して半日しか経っていないが、来場者からは欲しい、見積もりを下さいなど、高評価の反応をいただいている」と話した。

 フィルムもガルバノで抜いているため、バッジサイズに応じた自動カットが可能。さらに、パーツの不良検知機能を備えているため、不具合があれば自動で供給を止めることができるのも特筆すべきポイントの1つだ。

金具装着を自動化する「マルカン・ナスカン取付自動機」

 続いて案内されたのが、キーホルダーの金具装着を担う「マルカン・ナスカン取付自動機」だ。並べられたキーホルダーをカメラで撮影し、穴の位置や形状を解析。ハンドロボットが座標を認識し、マルカンを広げてキーホルダーを差し込み、ナスカンを装着して閉じるまでを全自動で行う。「写真で座標を取り、どこを拾えばよいかを自動で判断しながらロボットが動作します」と三輪社長は説明した。

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マルカン・ナスカン取付自動機

 生産スピードは10〜15秒で1個と、手作業の約20秒を上回る効率を実現。価格帯は2,000万〜2,500万円を想定しており、画像認識技術を活用した新機軸の自動化モデルとして注目できそうだ。

ラベル貼付から穴明けを行う「個包装ヘッダー・ラベル取付自動機」

 さらに、袋詰め製品の最終仕上げを自動化する「個包装ヘッダー・ラベル取付自動機」も来場者の目を引いていた。ラベルプリンタ一体型で、商品に合わせたバーコードを印字・貼付、穴開けまでを一連の流れで処理できる。「食品や菓子のような、ホッチキスが使えない業界でも、この方式なら安全に流通できる」と三輪社長は話した。受注領域を拡大できる自動機としても注目されそうだ。1個あたり約15秒で加工が完了し、従来の人手工程を大幅に短縮する。

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個包装ヘッダー・ラベル取付自動機