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視点の行方

消費増税:対応すべき業務は「書類」

印刷ジャーナル 2019年8月5日

 アドビシステムズ(株)(ジェームズ・マクリディ社長)は、将来的な消費税増税に伴い、企業や組織が対応に迫られる各種業務とその対応の実態を明らかにするため「消費税増税に伴う業務に関する実態調査」を実施した。調査はインターネット上で行われ、金融、建設、不動産、製造、卸売、小売、運輸、倉庫、サービスの全9業種の計1,023を対象に行った。

 同調査によると、消費税増税対策に最も不安を感じている業種は「小売業」で、さらに対応も不十分であることが分かった。また、消費税増税に伴い「対応しなければいけない業務」は、契約書や請求書といった「書類」が最も多く、コンピューターや周辺機器、通信ネットワークといった「情報システム」よりも多い結果となった。

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 消費税増税に伴う業務対応に不安を感じているか聞いたところ、不安を感じている人は約半数以下(46.5%)という結果に留まった。しかし業種別に見ると、消費者との距離が近いためか「小売業(65.0%)」が全体より17.5ポイントの差をつけて不安だと回答している。

 一方、消費税増税への対応が進んでいるか聞いたところ、業種別の差が鮮明になった。全体では約3割(34.3%)が「全て対応した/だいたい対応した」と回答したが、不動産業では5割以上(55.3%)がすべて対応した/だいたい対応したと回答し、全体と比べると20ポイント以上差をつけている。また特筆すべきは、最も対応できていない(あまり対応できていない/全く対応できていない)業種は、増税対策に最も「不安を感じている」と回答した「小売業(60.0%)」という結果となり、消費税増税対応では業種によってひらきがあることが明らかになった。

 また、消費税増税に伴い対応が必要な業務を聞いたところ、契約書や請求書などの「書類(61.7%)」、次いで「情報システム(51.8%)」を挙げる声が圧倒的だった。業種別にみると、金融業では「情報システム」「印刷物」「書類」「Webコンテンツ」のすべてにおいて全体平均よりポイントが高く、消費税増税に伴い対応業務が最も多い業種であることが明らかになった。

 アドビシステムズ マーケティング本部バイスプレジデントの秋田夏実氏は次のように述べている。

 「消費税増税対策に必要な業務として真っ先に挙げられるのは情報システムの改修だと思われがちだが、今回の調査で申込書や申請書への対応が重要と受け止められていることが明らかになった。また、小売業では増税対策に不安を感じるものの対応の遅れが目立っているのは興味深い結果だ。政府では軽減税率対策補助金制度を設け、レジ買い替え補助を促しているが、まだ想定の3割しか申請されておらず、ここでも小売業における消費税増税対応の遅れが目立っている。契約書や請求書といった書類はもちろん、印刷物やWebコンテンツなど、増税対応に必要な業務は業種によってさまざま。書類をデジタル化することでコスト削減と業務効率を向上するDocument Cloudをはじめ、アドビの多岐にわたるソリューションであらゆる業種のニーズに応えるべく今後も努めていく」