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視点の行方

メニュー選び、どう感じてる?

印刷ジャーナル 2018年10月5日

 慶應義塾大学満倉研究室(以下満倉)、(株)サイゼリヤ、トッパン・フォームズ(株)は、視線計測装置および満倉が開発した簡易型脳波計を用いた感性計測装置「感性アナライザ」を使って、複数の選択肢からメニューを決定する際の生活者の視線や感性についての共同研究を行い、結果、「メニューを決めるまでの生活者の気持ちの動き」を科学的に明らかにすることに成功した。

 今回の実験では、被験者に実際のメニューブックを見てもらいながら、注文するメニューを決めてもらった。その際の視線と感性を計測装置によって取得し、実験後にはインタビューを行った。なお実験はサイゼリヤの実店舗にて行っている。

 研究ではまず、注文に至るまでの脳波を「興味度」「好き度」「ストレス」の感性に置き換えて可視化。さらにメニューブックを見ている時の視線の動きやインタビュー結果を組み合わせて分析することで、生活者の気持ちの動きという目には見えないものを科学的に把握することができた。

 今回の共同研究成果をもとに、サイゼリヤでは生活者にとって分かりやすく、より注文しやすいメニューブックづくりにつなげていく考えで、またトッパンフォームズは、生活者にとってより分かりやすく、事業者にとっても販売促進の効果を向上させるツールの制作に貢献するとともに、「感性分析サービス」を提供することにより、今後も生活者の感性や行動に焦点を当てたマーケティング支援を行っていく考え。

 なお、満倉とトッパンフォームズは、今回のように視線計測、感性計測、行動観察、インタビューなどを組み合わせて生活者の嗜好性を把握し、さまざまなコミュニケーションツールの評価と改善を行うための調査手法を確立し、特許出願を行っている。