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視点の行方

紙器事業者のデジタル印刷機導入の割合は25%

印刷ジャーナル 2018年6月25日

 (株)矢野経済研究所は、全国の紙器事業者およびその他関連企業を調査し、紙器分野におけるデジタル印刷の実態と今後の方向性を明らかにした。
 同社は今回、紙器分野におけるデジタル印刷に関する事業者の関心を明らかにするため、全国の紙器事業者に対してアンケート調査(有効回答企業数58社)を、2018年3月〜4月に実施した。
 まず、デジタル印刷機導入の有無では、デジタル印刷機を導入している紙器事業者の割合は25.9%となっている。実際の市場におけるデジタル印刷機の活用状況に比べて高い比率となった印象ではあるが、これはこのアンケート集計結果の中にサンプル・校正用途で使用していると推測される大判インクジェット機のみ保有している事業者や、紙器以外の印刷物のみで活用している(紙器の印刷では活用していない)と回答している事業者が含まれているためと考えられる。
 この考察を裏付けるように、導入しているデジタル印刷機のタイプについては、「大判インクジェット機」が半数近い割合でトップとなっており、用途については「生産機、サンプル・校正用途の両方で使用」が6割を占め、品目については「紙器」のみでデジタル印刷機を稼動させている事業者は2割しかいないという結果となった。

未導入事業者におけるデジタル印刷機の導入ニーズについて

 デジタル印刷機を導入していない紙器事業者43社に対して、今後の必要性を聞いたところ、「必要性を感じるので、いずれは導入を検討」が18.6%、「必要性は感じるが、導入は考えていない」が41.9%と「必要性を感じている」事業者が約6割を占める結果となった。「導入を検討する」と考えを示した事業者は2割弱であり、顕在化しているニーズはまだ小さいものの、デジタル印刷機導入に対する潜在的なニーズについては高いと言える。