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田中手帳、新サービス「D-EDGE」を本格展開

本の天地、小口へデジタル印刷〜装丁に新たな付加価値

手帳製本技術にデジタル技術を融合させた「D-EDGE」の品質

 D-EDGEの最大の特長は、天地や小口にデジタル印刷を施すだけではない。その品質を支えているのは、同社が長年にわたり培ってきた手帳製本の技術である。

 本の小口へ印刷する場合、絵柄を美しく再現するためには、印刷面となる断面が均一に揃っていることが欠かせない。しかし、一般的な書籍に多く採用されている無線綴じやあじろ綴じでは、製本工程で接着剤により本文を固めるため、背の部分が小口側よりも厚くなりやすい。その結果、冊子全体がわずかに台形状となり、断面へ印刷した際には絵柄のずれや変形が生じやすくなる。

 その点、同社が得意とする手帳製本では、背と小口の厚みをほぼ均一に保つことができる。断面がきれいに揃うため、高精細な小口印刷を安定して実現できる。

 この製本精度が生かされているのが、田中社長が推奨するD―EDGEの代表的な表現方法である「ユナイテッドイメージ」である。

 ユナイテッドイメージは、複数冊の小口へ一枚の絵柄を分割して印刷し、並べることで初めて一つの作品として完成する手法である。書棚へ並べた際にも一枚の絵として楽しめるほか、小口そのものを新たな表現空間として活用できる。

 しかし、この表現は単に小口印刷機があれば実現できるものではない。

 仮に一般的な無線綴じの冊子10冊へ同じ手法を施した場合、背側は一冊ごとにわずかに厚みが増すため、10冊並べると小口側との間に約1センチの差が生じる。これでは絵柄を正確につなぎ合わせることは難しい。

 その点、同社の手帳製本では各冊子の断面精度が高く保たれるため、複数冊を並べても絵柄が美しくつながる。長年手帳づくりで磨いてきた製本技術があるからこそ、ユナイテッドイメージという高い装飾性を持つ表現を実現できるのである。

 田中社長も、D―EDGEの特長として特にユナイテッドイメージを挙げる。1冊ごとに同じ絵柄を印刷する「ソロイメージ」に対し、複数冊が一つの作品として完成する「ユナイテッドイメージ」は、小口印刷ならではの魅力をより印象的に伝えられる表現であるからだ。

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本の小口を複数冊並べることで一枚の絵が完成する「ユナイテッドイメージ」

 デジタル印刷機の導入により、職人が手作業で対応すると一日に約50冊が限界だった小口装飾は、一日約3,000冊まで生産能力を高めた。量産性を確保しながら、高い品質を維持できる点もD―EDGEの大きな強みとなっている。

 また、対応サイズは80mmから300mmまでと幅広く、A7〜A4サイズ相当の本や手帳に対応。天・地・小口への印刷に加えて、上製本のように断面へ傾斜が生じる冊子への印刷にも対応する。ダブルプリントによる鮮やかな発色も可能で、コミックスの特装版や写真集、記念誌など、小口そのものが作品の一部となるような出版物との親和性も高い。単なる装飾にとどまらず、本そのものの存在感やコレクション性を高める手法としても期待が高まりそうだ。

 田中社長は今後の展開について、「まずはコミックなどの『愛蔵版』への採用を提案していきたい。その上で、出版分野にとどまらず、異業種への展開も図っていくことができれば」と話す。

 長年培ってきた手帳製本技術とデジタル印刷を融合し、本の断面へ新たな価値を生み出した「D―EDGE」。製本会社ならではの強みを生かした新たな付加価値創出への挑戦として、今後の展開に注目したい。