理想科学工業、page2026で高速IJ技術を中核に最新ソリューション展示
印字技術と関連ソリューションを一堂に集結
page2026の理想科学工業(株)ブースはオフィスからプロダクション、パッケージ、スクリーン印刷、さらには原稿チェックソフトまで、同社が展開する印字技術と関連ソリューションを一堂に集結させた総合提案型の展示として存在感を放った。営業本部 販売推進部長 販売統括部長の床爪孝行氏は、「印字装置としてのプリンターだけでなく、パッケージへの印字を可能にするプリントエンジンやスクリーン関連商材、原稿チェックソフトまで、当社が提供できるすべてを集結し、印刷業界の皆様にご案内することをコンセプトとしている」と語った。今回、page2026レポートとして同社ブースの展示を再現する。

大量出力を支えるノンストップ運用とインライン検査【高速カット紙インクジェットプリンター「VALEZUS」】
ブースの中核として来場者の注目を集めていたのが、高速カット紙インクジェットプリンター「VALEZUS(バレザス)」である。同機は油性顔料インクを採用したカット紙インクジェットプリンターの中でもトップクラスの生産性を誇り、タンデム方式による両面印刷で毎分330ページ(*1)という高速出力を実現する。トナー機であれば毎分100ページでも高速とされる中、インクジェットならではの吐出性能によって大幅な生産能力向上を可能にしている。
給紙部は最大8,000枚の大容量に対応し、4,000枚ずつの2系統構成を採用。稼働中でも用紙の補給や交換が可能なため、印刷を止めることなく連続運転を維持できる。こうしたノンストップ運用は、大量出力が求められる帳票や書籍印刷などの現場において大きな優位性となる。
また、油性顔料インクによる「無加熱印刷」も注目したいポイントだ。一般的な電子写真方式のように定着のための熱を使用しないため、印刷後の用紙がカールしたり波打ったりすることが少ない。これにより、断裁や折り、製本といった後加工工程へそのまま移行でき、生産全体のリードタイム短縮に寄与する。印刷直後でもインクは十分に乾燥しており、耐水性にも優れるため、品質面でも安定した出力が可能である。
また、当然だが同機は可変データ印刷にも対応しており、カット紙でありながら1枚ごとに異なる内容を高速で出力できる。すでに書籍用途で導入したユーザーでは、オンデマンドで行う用途として活用し、必要な部数だけ生産できる点が評価されているようだ。
さらに、コスト構造にも特長がある。一般的なカウンター課金方式ではなくインク買い取り方式を採用しており、使用したインク量に応じてコストが換算される仕組みだ。これにより文字主体の原稿やカラー面積を抑えた出力などでは、トナー方式よりもランニングコストを抑えられるケースも多い。
展示機にはインライン検査装置が接続されており、印字内容の照合や履歴管理にも対応する。同社ラインアップの中でも検査装置をインラインで組み合わせられるのはバレザスのみであり、個人情報を扱う帳票や通知物など、印字内容の正確性が求められる用途で高い関心を集めていた。印刷品質と生産性に加え、検査機能まで含めた一体型の生産環境を構築できる点は、データプリントサービスをはじめとする分野において大きな強みとなる。
パッケージへダイレクト印字 生産ラインに組み込む印字プラットフォーム【インクジェットプリントエンジン「Integlide」】
印刷の適用領域そのものを拡張するソリューションとして紹介されていたのが、インクジェットプリントエンジン「Integlide(インテグライド)」である。同機は完成されたプリンターではなく、インクジェットの中核となるプリントエンジン部分を提供するもので、用途に応じて搬送装置や加工機と組み合わせることで多様な印字システムを構築できる。今回の展示では、セーラー万年筆(株)のコンベアと組み合わせ、段ボールへの直接印字を行うシステムとしてデモンストレーションが行われていた。
最大の特長は、段ボールなど厚みのあるパッケージへのフルカラー印字に対応する点にある。従来、輸送用段ボールはフレキソ印刷でブランドロゴ等が印刷された状態で供給され、出荷工程でラベル貼付やスタンプなどによるマーキングが行われるケースが一般的であったが、インテグライドを用いることで、こうした複数の印字工程を集約することが可能になる。これにより、白紙の段ボールを仕入れて必要な情報を自社で印字する運用が実現し、在庫管理の効率化や作業工程の簡素化につながる。
また、今後、従来の下方向への印字に加え、水平方向(横方向)への吐出にも対応を示唆された。これが実現すれば、シート状の資材だけでなく、組み立て済みの段ボール筐体の側面へもダイレクト印字が可能になる。これにより、搬送ライン上で組み立て済みの段ボールへそのまま印字するなど、より柔軟な生産ライン構築が可能となる。

これまで段ボールへの印刷は、段ボールメーカー側のフレキソ印刷工程で行われることが一般的であったが、同エンジンの活用により、ユーザー自身が印字を行うという新しい選択肢が生まれる。出荷情報やロゴ、バーコードなどを必要なタイミングで印字できるため、小ロット・多品種化が進む物流現場において大きな効果を発揮する。
来場者の中には、自社の出荷工程で使用する段ボールへの印字用途として関心を示す印刷会社もあったという。印刷会社自身が物流工程を持つケースも多く、既存設備と組み合わせることで新たな付加価値を創出できる可能性がある。プリンターという枠を超え、印字機能そのものを提供するインテグライドは、印刷技術の活用領域を物流や製造工程へと広げるプラットフォームとして注目を集めていた。なお、同機は「中小企業省力化投資補助金(一般型)」での活用実績もある。導入にあたっての条件や詳細は、同社へ確認してほしい。












































