23年目を迎えた「モトヤコラボフェア」〜期待を超える提案がここにある
スペシャルインタビュー|モトヤ 古門慶造社長に聞く
「モノではなく、コトを売りたい。困り事の解決、儲かるお手伝いをしたい。それが我々の一番の願いです」と語る(株)モトヤ・古門慶造社長。初開催から23年、通算83回を数える「モトヤコラボレーションフェア」も、そんな想いから生まれたイベントである。今回、7月9・10日の東京開催を控えた古門社長に、他の業界展示会と一線を画す同フェアについて話を聞いた。

─モトヤコラボレーションフェアは、もともとどのような経緯、想いから始まったのでしょうか。
古門 当社では毎年、大阪と東京および各事業所で従来型の展示会を開催してきましたが、平成7年1月の阪神淡路大震災の影響で、その年は神戸での開催を断念しました。そして翌年の平成8年7月、復興への願いを込めて展示会を復活させたわけですが、そこで「何をするのか」について営業の管理職クラスが中心となって企画に入りました。そして提案してきた内容が「未曾有の現状において印刷会社はどのようなことを考えるべきか」について私に講演しろと...。当時私は48歳。「若造がそんな話を説いても失礼に当たる」と考えましたが、粘り強い要請に負け、「それならば、やり方を変える」という条件で、セミナーではなく、若手や次期経営者に集まっていただき、昼食を取りながら情報交換を行うという企画が実現しました。この場では、互いの考える印刷業界について議論したわけですが、私からは「印刷機材商社として印刷会社との共存を模索する」ということをお話しして、最後に「下で展示会をしていますが、機械は見るだけで買わないで下さい」とお願いしました。
そして翌年の平成9年1月、堺市産業振興センター(旧じばしん南大阪)で展示会を開催した際、「来場者数は変わらないのに会場が閑散としている」という状況に気づいたのです。そこで来場者の行動をよく見てみると、展示物は眺める程度で、その後は商談コーナーでコーヒーを飲み、そのまま会場を後にする来場者が多く見受けられました。会場内は当社とメーカーの社員ばかり。通年は展示会の翌月、翌々月の売上は上振れる傾向にありましたが、この年は横ばいでした。「こんな展示会ではメーカーにも失礼だし、我々の事業自体も成り立たなくなる」と強い危機感を感じた私は、展示会そのものを根本から考え直すよう指示しました。
当時、様々な意見やアイデアは出てきたものの「本当にそれでお客様が喜ぶのか?」という視点で問うと声が小さくなり、なかなか決め手となる案が出ませんでした。
そこで私が提示したひとつの案が「印刷会社に出展してもらう展示会」だったのです。そのとき社員は「キョトン」とした表情で私を見ていました。機械と材料を並べて「さあー買って!」というのが当時の展示会で、当時はなかった発想だったこともあり無理もありません。
ただ、そこで重要なのは印刷会社が「何でも受けます」というスタンスではなく、自社の強みを明確にした上で出展していただき、来場者がその「強みを持つ会社」と仕事のパートナーになる。そんな展示会を目指そうと呼びかけました。営業からは「それでは機械は売れませんが...」という声もありましたが、「それでもいい。印刷会社が元気になれば、自ずと我々も元気になれる」と話し、社内を説得するのに丸2年かかりました。
─実際、初の開催時の状況や反応はどうだったのでしょうか。
古門 平成15年1月、「第1回モトヤコラボレーションフェア」を大阪で開催。府下の印刷会社およそ30社に出展していただきました。来場者の中には「これ、おもろいな。こういうイベントを待ってたんや」と称讃していただいたお客様もあり、すごく印象に残っています。多少なりとも印刷業界の役に立っているという実感も湧きました。
ただ、出展していただいた印刷会社の8割が「早い」「安い」「きれい」という同じ特徴をアピールしていたのを見て、「もっと変わったことをやりたい」という想いが込み上げ、メディアなどからの情報をもとに、おもしろい会社、ユニークな商材があれば、営業に訪問させ、展示会への出展を依頼すると、やはりそのような付加価値のあるおもしろい商材を手掛けている会社はアピールする場に飢えていました。そんな取り組みを繰り返すことでモトヤコラボレーションフェアは、多種多様な特徴や強みを持つ印刷会社に出展していただき、その営業のお手伝いができるイベントに進化してきました。
印刷会社は常にお客様から様々な商材へのニーズを突き付けられています。それに応えるために設備していては投資額が膨らむばかりで、膨大なスペースも必要となります。そこで設備や強みを相互活用することで、各社の仕事の幅も広がり、利益率も向上すると考えました。
印刷が豊かな業界であれば、我々の商売も当然ながら豊かになります。当社の展示会では、モノを売りません。コトを売りたい。困り事の解決、あるいは儲かるお手伝いをしたい。それが一番の理想であり願いです。そんな想いから始まったのが「モトヤコラボレーションフェア」だとご理解下さい。
─では、今回の「モトヤコラボレーションフェア2026東京」について、みどころの一端をご紹介下さい。
古門 今回で23年目、通算83回目を迎えるコラボフェア東京のテーマは「新商材×ビジネスチャンス×自動化・省力化=コラボレーションフェア」としました。展示会場は「コラボレーションゾーン」「新規事業提案ゾーン」「自動化・省力化・コンセプトゾーン」「環境/材料ゾーン」の4つで構成されています。

もちろん、コラボレーションゾーンには、感性を揺さぶるような高付加価値商材が一堂に会すわけですが、今回はとくに「自動化・省力化・コンセプトゾーン」で如何に省力化、自動化するかを実演で紹介する試みがみどころのひとつになります。
このゾーンでは、富士フイルムビジネスイノベーション様のプロダクションプリンタ+ウチダテクノ様のダイカット・合紙・帯掛け+アームロボットを展示し、小ロット印刷から、抜き、帯掛け、ロボットによる箱詰めまでを実演します。
また、動画紹介にはなりますが、スター精機様のパレタイザーも興味深い自動化設備です。先日、スター精機様を見学させてもらいましたが、私自身も「こんなことができる、あんなことができる」とワクワクしましたし、「ここで働いてみたい」という感覚を覚えました。
人手不足が慢性化する製造業において、自動化・省力化は急務です。また、印刷で考えると、例えばDM印刷を受注した場合、その周辺にある封筒制作、封入封緘などを受注に取り込めば商売のスケールアップに繋がります。そのための自動化・省力化を考えるとワクワク感が湧いてくるはずです。
─最後に来場者へのメッセージをお願いします。
古門 印刷会社が自社の強みを発表し、その出展社同士、あるいは来場者との協業が促進されれば、他社の営業力、あるいは生産設備力を互いに活用しあえる環境が整います。「モトヤコラボレーションフェア」がそのきっかけとなり、ひいては業界発展に繋がれば幸いです。ぜひ、多くの方々のご来場をお待ちしております。










































