特色からバリアブル大量生産まで[Revoria Press PC1120導入事例]
構成異なる2台を柔軟に使い分け
2025年5月に創業90周年を迎えたサンメッセ(株)(岐阜本社/岐阜県大垣市久瀬川町7-5-1、田中信康社長)は、2022年に富士フイルムのプロダクションカラープリンター「Revoria Press PC1120」(以下「PC1120」)1号機を、さらに2024年には需要増加の対応を目的に同2号機を導入し、「デジタルとオフセットの共存運用」を実現。急速に高まる「小ロット・短納期・高付加価値ニーズ」への対応力を大幅に強化してきた。導入の経緯やそれぞれの活用状況、メリットなどについて、プレス部部長の松岡克英氏、デジタルプレス課の臼井章娘氏、立川弘樹氏に伺った。

印刷品質の高さを活かし、オフセットとの共存運用へ
同社は、1935年に田中印刷所として創業以来、90年の歴史を誇り、中部地区最大規模の生産力を持つ印刷会社として知られる。現在は従業員約640名を擁し、一般商業印刷を中心に、「IPS事業」、「パッケージ事業」、「コーポレート・コミュニケーション事業」の専門性の高いフィールドを中心に事業領域の拡大に向けた積極的な経営改革にも果敢に挑んでいる。近年は市場の変化に対応するため、生産設備のデジタル化を積極的に推進するとともに、新しい価値創造にも取り組んでいる。

松岡部長が現職に就いたのは、PC1120の2号機導入のタイミングだった。デジタルプレス課長となって初めてPC1120の出力物を目にしたとき、「オフセットにかなり近い仕上がりだ」という印象を持ったという。
「その品質の高さを見て、これならPC1120を中心とした『デジタル機とオフセット機の効率的な共存運用』ができるはずだと確信を得た」(松岡部長)
しかし当時、社内では「デジタル機はコピー機の延長」という認識が根強く残っており、先に導入されていたPC1120の1号機も上手く活用できておらず、稼働率が伸び悩んでいる状況であった。そこで、2号機導入の際、富士フイルムのクラウド型CMS「Revoria One Remote Color Management Service」とインクジェットプルーファー「PRIMOJET」を活用し、オフセット機・デジタル機のカラーマッチングを図り、PC1120とオフセット機で同じ印刷品質が得られる環境を整えた。
さらに、PC1120の色再現性を詳しく検証した結果、特殊トナー対応・6色仕様の1号機は、90%以上の特色を再現できることが確認できたことから、小ロットの特色ジョブをPC1120に移行することとした。
「現在、PC1120はオフセット印刷と同等の位置づけ。お客さまから『オフセットでは再現できないため、PC1120で対応してほしい』という依頼をいただくことも、まれにある」(松岡部長)
1台あたり月20万枚を安定生産
デジタル機とオフセット機の色を合わせたことで、たとえば、オフセット輪転機で印刷したチラシが300部追加で必要になった場合に、PC1120でその追加分をすぐに印刷するといった柔軟な対応が可能になった。
同社では現在、原則として規定の部数以下はPC1120、それ以上はオフセット機という形で、生産機を使い分けている。
オフセットからPC1120への切り替えによって準備時間や待機時間の削減が図れた分、納期も短縮できている。また、同社のPC1120には中綴じフィニッシャーやトリマーなどのオプションも装備。中綴じ製本のインライン処理が可能になったため、後加工工程での待機時間の削減も実現できた。
「オフセット機ではどれだけ頑張っても15分以上かかる準備時間が、PC1120では5分で完了する。稼働効率が高いので待ち時間も少ない。UVオフセット機が空くのを3時間待つならPC1120で印刷した方が早い、というケースもある」(松岡部長)

PC1120の稼働率を高めるため、松岡部長は「まずは社内の仕事の取り込みを優先してPC1120の稼働を上げる」ことをプレス部で宣言した。すなわち、クライアントからの新規受注を増やす前に、社内の営業部門に働きかけて、これまで外注に出していた仕事を内製化していこうという取り組みだ。これにより、徐々に内製化率が向上するとともに、小ロットの仕事でオフセット機を使用するケースも減少し、コスト面での無駄も削減できた。
現在、同社のPC1120は1台あたり月約20万枚をコンスタントに生産しており、フル稼働状態だ。臼井氏は、「これだけの生産量を安定的にこなせるのは、富士フイルムのサポートによるところも大きい」と語る。











































