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富塚製本、製本現場を児童が体験

近隣の小学校の会社見学を受け入れ

 富塚製本(株)(本社/大阪市生野区、富塚宗寛社長)はこのほど、近隣の大阪市立巽小学校の会社見学として児童を受け入れ、製本の仕事内容を説明した。実際の製本機械を前に、子供たちは感嘆の声を上げながら工程を体感。同社では、地域との関わりを大切にしながら、年末には残紙を活用したノートなどの無料配布も行っており、「紙の価値」を伝える取り組みを継続している。

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富塚 社長

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富塚 常務

「スゲー!」の連続。製本現場に驚きの声が広がる

 同社が今回、受け入れたのは大阪市立巽小学校の2年生約20人。複数班に分かれて地域の企業を訪問する会社見学として実施されたもので、同社には、そのうちの1班が訪れた。

 今回の見学は、富塚康憲常務取締役の子供2人が同校に通っていることもあり、学校側が同社の存在を認識していたことがきっかけとなった。長男はすでに卒業しているが、現在も家族とのつながりがあることから見学の依頼があり、受け入れに至ったという。

 見学は当初15分程度を想定していたが、実際には30〜40分におよんだ。富塚社長は「面白かったみたいで、先生の方が焦っていた」と話す。

 当日はまず、丁合機や折機、断裁機、紙揃え機など、製本工程に関わる各種設備をひととおり見学。動かせる機械については実際に稼働させながら説明を行い、子供たちに現場の臨場感を伝えた。

 その中でも、とくに反応が大きかったのが紙揃え機である。足元のペダルを踏むだけで紙が整う様子に、「すげえ!」と歓声が上がり、体験を希望する子供たちが列をつくった。「先生が『もうやめなさい』と言ってもどんどん並んでいた」と富塚常務は振り返る。

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製本工程の説明を聞く子供たち

 また、同社で製作した教材やメモ帳がどのように仕上がるのかを実際の工程で紹介。断裁機で一度に大量の紙が切りそろえられる様子を見せると、ここでも驚きの声が上がった。普段使っているノートや教材がどのように作られているのかを目の当たりにし、「見たことある」といった声も聞かれたという。

「なぜ働くのか?」。子供たちの素朴な質問

 見学の途中では、子供たちからの質問にも応じた。その中で印象的だったのが「どうして仕事をするのですか?」という問いである。

 これに対して富塚社長は、「君たちのお父さんやお母さんも仕事をしてお金を稼ぎ、そのおかげでご飯を食べたり学校に行けたりするんやで」と説明。仕事の意義を、子供たちの生活に結びつけて伝えた。また、「仕事で気を付けていることは何ですか」といった質問もあり、製本の仕事に対する関心の高さがうかがえた。

 こうしたやり取りを通じ、子供たちにとっては単なる工場見学にとどまらず、「働くこと」そのものを考える機会にもなったようだ。

残紙を活かした年末の無料配布-地域との関係づくり

 同社では、こうした会社見学の受け入れのほか、数年前からは、年末の仕事納めに合わせて残紙製品の無料配布を継続的に実施している。

 これは、製造工程で生じた残紙を活用し、メモ帳や一筆箋、画用紙などを製作し、それを近隣住民に無償で提供しているもので、毎年多くの人々が訪れる恒例行事となっている。小学生や中学生はもちろん、高齢者まで幅広い世代が訪れる。

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毎年年末に残紙で作ったノートなどを無料配布している

 「細かいものも含めると1,000冊ほど並べるが、ほとんどすぐになくなる」と富塚社長。中には感謝の気持ちとして果物などを持参する人もおり、地域との温かな交流の場にもなっている。

 こうした活動の背景には、『紙の良さを知ってもらいたい』という思いがあるという。「紙離れが進み、デジタルの時代だからこそ、紙にしかできないことがある」と富塚社長は強調する。

地域とともに歩む企業として紙の魅力を発信

 同社では、日常業務においても近隣への配慮を欠かさない。フォークリフトの出入りや荷物の搬入、機械音などで「地域と揉め事のないように常に気をつけている」と富塚社長は話す。
 今回の会社見学についても、「地元の小学校であるし、依頼があれば今後も受けていきたい」と富塚常務は前向きな姿勢を示す。同社の取り組みは、地域とのつながりを深めながら、紙の魅力を社会に発信しているといえそうだ。