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視点の行方

世界の広告費成長率予測-2019年の成長率は3.6%

印刷ジャーナル 2019年7月5日

 (株)電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」(英国)は、世界59ヵ国・地域から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」を取りまとめた。
 世界のデジタル広告費の成長率は、2018年に14.9%(実績)、2019年に11.5%(前回予測は12.0%)、2020年に11.0%(前回予測は10.8%)と、二桁成長が続く見通しとなった。その主要因は、オンライン動画広告とソーシャルメディア広告の成長であり、デバイスとしてはモバイルの成長率が21.4%と大きく、デジタル広告市場の成長に貢献している。
 世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は、2018年実績が39.0%と、初めてテレビ広告費の34.9%を上回った。その割合は、2019年には4割を超えて41.8%となり、2020年には44.5%へと伸長する見通し。対象59ヵ国・地域のうち、2019年には26ヵ国・地域(2018年は21ヵ国・地域)で、デジタルが媒体別広告費の構成比でトップになると見込んでいる。
 世界の広告費成長率は3.6%(前回予測は3.8%)、広告費は6,099億ドルに達すると予測している。不透明な経済状況が及ぼす消費活動への影響と中国、ロシアなどにおける成長減速はあるものの、インド、ブラジル、英国、カナダ等は高成長率で好調を続けており、全般的には引き続き安定した成長が見込まれる。
 媒体別では、世界各地で引き続きデジタルが広告市場成長を牽引している。新聞が成長率で△7.7%、雑誌が△7.4%、テレビが△0.1%と厳しい状況が続くものの、屋外/交通広告は4.3%、ラジオは1.7%の成長が見込まれている。このような傾向は2020年も続く見通しだが、テレビは0.6%に回復すると予測している。
 日本の2018年の広告費成長率(実績)は、前回予測の0.2%から2.2%へと大幅に上昇した。その主要因としては、想定を上回るペースで伸長したデジタルの運用型広告、マス4媒体社が提供するデジタル広告を追加したことが挙げられる。
 2019年は、2018年実績を基準に前回予測の0.6%から上方修正し、1.2%で堅調に成長すると予測している。デジタル広告が運用型広告を中心に引き続き二桁成長(14.5%)する見通しで、とりわけモバイル(21.2%)、オンライン動画(29.2%)、マス4媒体社が提供するデジタル広告が成長を牽引する見込み。
2020年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催などがあるため、成長率は2019年を上回る1.8%と予測している。