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視点の行方

2017年 テレワーク導入率は4.7%

印刷ジャーナル 2018年7月5日

 IDC Japan(株)は、国内テレワーク導入率に関する調査を行い、その分析結果および予測を発表した。
 同調査によると2017年におけるテレワーク導入の企業数(従業員2名以上の企業)は14万社(企業導入率4.7%)と推計される。これを企業規模別に見ると、従業員が499人以下の中堅中小企業のテレワーク導入率は2017年で4.7%、同500人以上の大企業では、23.6%と大企業でより導入が進んでいる。
 国内の企業数は、中堅中小企業が99,8%を占めることから、同セグメントの導入率が全体の導入率に大きく影響するため、2017年における国内全体のテレワーク導入企業の割合は4.7%と推計される。
 今後テレワークは、ワークライフバランスの向上による生産性の向上、優秀な人材確保/流出防止、労働人口減少の緩和などの目的で導入が進み、2022年では29万社(企業導入率9.7%)になると予測されている。
 テレワークの導入が中堅中小企業に対し、大企業で進んでいる背景は、「社員のダイバーシティ(多様性)の拡大を背景とした働き方の多様化に対するニーズ」「顧客との立地の近さ」「ITC導入の格差」などが考えられる。
 また、大企業の中で産業分野別に見ると、「サービス」「製造」「金融」で導入率が高い一方、「医療/教育/公益」は、導入率が相対的に低いことがわかった。「医療/教育/公益」は、顧客との対面や関係性の深さ、個人情報漏洩への危惧、大規模な研究機材などの制限などからテレワークが導入しにくいと考えられる。
 テレワークは、勤務する場所や形態によって「在宅型」「施設利用型」「モバイルワーク型」の3つに分類され、この中で「在宅型」が中心に進んでおり、2022年に向けてもこの運用型が中心になると考えられる。
 一方、「施設利用型」は、貸し会議室などを利用することからコストとセキュリティに対する不安から2022年でもテレワーク導入企業の半数以下の運用率になると予測されている。
 テレワークの導入は中堅中小企業の導入率が低いことで、国内全体の導入が遅れている。総務省調査では、中堅中小企業がテレワーク導入に消極的である主な理由は、テレワークに適した仕事がないことであった。しかし、業務の仕分けを行うことで、どの業務でテレワークを進めることができるかを各企業で検討することが必要であるとIDC Japanは指摘している。