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視点の行方

世界の広告費成長率予測-2018年の成長率は3.6%

印刷ジャーナル 2018年1月25日

(株)電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」(英国)は、このほど世界59ヵ国・市場から収集したデータに基づき、世界の広告費成長率予測を取りまとめた。
 世界の広告費成長率は、中央および東ヨーロッパを除く世界各地で成長がやや鈍化したことにともない、2017年は2016年対比で低下する見込みであるが、2018年は世界の広告市場の3分の1を占める北米をはじめ、アジアパシフィックやラテンアメリカでの成長が上向くことから、2017年を上回る3.6%の成長となり、総広告費は5,895億ドルになると予測している。
 この成長率には、主にデジタル広告のさらなる拡大と、「2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会」「2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会」「米国の中間選挙」など大型イベントによる貢献が反映されている。
 国別で見ると、2018年の成長率の傾向は一様ではなく、例えば米国、ドイツ、インドでは大きく伸びる一方、英国、ロシア、中国では減速を予測している。日本は、緩やかで安定的な経済成長にともない、2018年には1.6%になると見ている。
 広告費のデジタルシフトは今後も継続すると見ており、世界のデジタル広告費の成長率は2017年の15.0%に引き続き、2018年も12.6%と二桁成長が続くと予測している。
 そのけん引役は、オンライン動画広告やソーシャルメディア広告などで、2018年の成長率は、それぞれ24.5%、23.5%となる見通しとなった。また、モバイルデバイス向けのデジタル広告は、2017年にデスクトップPC向けを追い抜き、2018年には1,211億ドルに達すると見込んでいる。
 その結果、2018年には、世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は38.3%となり、初めてテレビ広告費(35.5%)を上回ることになる。
 電通イージス・ネットワークでは、市場は変化の最中にあると認識しており、今後も多くの市場で既存のプレーヤーと新興のプレーヤーとの競争によって様々な広告技術のイノベーションが生まれ、それが広告費の新しい成長源となっていくと予想している。