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視点の行方

新規分野での活用が期待されるドローン

印刷ジャーナル 2017年10月25日

 (株)シード・プランニング(本社/東京都文京区)は、業務用無人機(ドローン)に関する調査を行い、このほどその結果をまとめた。
 今回の調査では、ドローンメーカー、サービス事業者、周辺ビジネス事業者、ユーザーをヒアリングし、「業務用」を対象とし、また提供するサービス分野は、「空撮」「農薬散布」「精密農業」「i-Construction・測量」「点検」「資材管理」「警備」「運輸・宅配」「運搬」「公共・災害・防止」「その他」に分類して推計している。
 機体市場、サービス市場を合計した全体市場規模は、2016年で85億円、2022年頃までは、新分野での活用が進みドローンの新規導入も増えることから、機体市場とサービス市場は全体的に伸び、2022年には2016年比約18.5倍の1,570億円になると予測している。
 現状では、空撮、農薬散布、i-Construction・測量分野で、すでに実際のビジネスが立ち上がっている。
 もともと農薬散布や空撮は無人機の活用が進んでいた分野で、農水協が認証するマルチコプタータイプの機体が市場に投入され、2017年春から実際に稼働している。また、i-Construction・測量分野は、以前からも実験や試行としては利用されていた。点検は、ソーラーパネルの点検利用が多く、また、鉄道会社などインフラを保有する事業者が自社内で点検を行っている。
 空撮、農薬散布、i-Construction・測量、点検以外では、ほとんどのビジネスが実証実験レベルであるが、今後2〜3年は、2020年の五輪開催に向けて様々な実証実験や環境整備が行われる過渡期であり、まだビジネス化されていないサービス分野の多くは、実証実験から抜け出し、ビジネスとして成り立つことが期待されている。とくに、無人ヘリの市場発展に影響が大きい物流分野の制度整備が進むことが期待されている。
 さらに5年後以降は、現状の規制が緩和され、自動航行による活用の広がりが期待されている。ドローンに期待される効果を真に発揮するには自動航行の実現が必要である。自動航行により、人手を介さない飛行が増えることにより、さらにデータが蓄積されそれをもとにした解析やコンサル業務が拡大することが予想される。