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エコスリージャパン、3つの「E」価値提供へ持続可能な社会実現に貢献

2023年8月3日

岡本勝弘社長に聞く〜「日本は重要なマーケット」


 アグフア・ゲバルトグループ(本社/ベルギー)は昨年8月、ドイツに本社を置くアウレリウスグループとオフセット事業の譲渡に関する株式売買契約を締結し、2023年4月6日から社名を「アグフアオフセット」から「ECO3(エコスリー)」に変更。その日本法人である日本アグフア・ゲバルトでは、これらオフセット事業のブランド変更にともない、6月1日付けで社名を「エコスリージャパン(株)」に変更している。1950年に日本アグフア創立以来、日本国内において70年以上アグフアブランドでビジネスを展開してきている同社だが、今回のブランド、会社名変更について代表取締役社長の岡本勝弘氏にインタビューを行った。

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岡本社長(新ブランド発表イベントにて)

──新ブランド発足、社名変更について


岡本 昨年8月にアウレリウスグループとアグフア・ゲバルトグループで締結された株式売買契約から今年に新ブランド、新会社名発表を行った。新株主であるアウレリウス経営幹部とも契約締結後から打合せを行っているが、印刷分野への強い投資意欲があり、印刷業界に対してお客様のお役に立てるイノベーション製品を生み出したいという強い想いがある。旧アグフアオフセット事業の考える想いと一致していることから今後は非常に期待できると感じている。また、今までは大きなグループの中の一つのオフセット事業だったが、オフセット印刷事業をコアビジネスとするエコスリーになってからは意思決定の速さも肌で感じるようになってきた。オフセットビジネスを中核に据えたエコスリーはすべてのリソースをコアビジネスであるオフセット印刷に注力でき、また変化の激しい時代の中で早い意思決定ができるのは日本サイドから見ても風通しが良い組織であり、国内のビジネスにとってもプラスになると感じている。

 世界的に150年以上ビジネスを展開しているアグフアからのブランド変更ということで不安になるお客様もいらっしゃるかもしれないが、実際は経営幹部から開発、工場まですべて歴史のある旧アグフアオフセット事業と体制の変化はないので心配は無用。むしろ、前述したように今後に期待していただきたいと思っている。

 エコスリーの本社は引き続きベルギーであり、エコスリージャパンからみた本社はベルギーである。ドイツの株主になったからドイツの会社になったと言われることもあるが、実際はベルギーの会社であり、体制に変化はない。エコスリージャパンについても体制に変化なく国内のビジネスに力を入れていくことに変わりはない。


──新ブランドエコスリーについて


岡本 変化の激しい時代を勝ち残るために企業が取り組む必要不可欠な「Economical(経済的)」「Ecological(環境対応)」「Extra Convenience(利便性)」という3つのECOが社名の由来となっている。お客様の製造プロセスにおいて、利便性が高く効率的、かつ経済的な製品の開発、提供を行い、地球環境に配慮した製品を通して持続可能な社会の構築を目指していくという想いを表現している。

 実はこの3つのECO構想は以前からあったもので、エコスリーの製品開発コンセプトになっていたものである。これらの3つの価値をお客様に提供することで、印刷会社の経営にお役に立てるだけでなく、サステナブルな社会の実現に貢献していきたいという想いである。

 また、エコスリーブランド発足から新コーポレートアイデンティーの発表を行った。「WE MAKE PRINT FIT THE WORLD OF TOMORROW」。日本語では、「未来の印刷業界に向けた価値を創造する」と定義している。

 今までエコスリーは多くの印刷業界で先進的な製品を生み出してきた。世界初のPDFワークフローや業界初のケミカルレスCTPプレートは現在の印刷業界のスタンダードになった。どちらの製品も経済的であり、環境対応、そして利便性が高く世界中のお客様からご評価いただいている製品である。ケミカルレスCTPプレートのアズーラに関しては、日本でも勢いが止まらないヒット商品になっている。アルカリ現像を使用しないという利点だけでなく、独自の技術である砂目の浅い「シャローバレーテクノロジー」は、オフセット印刷の原理原則である水を絞った印刷を実現でき、インキマイレージ削減、ヤレ紙削減など多くのメリットをお客様へもたらすことができる。

 これからもコーポレートアイデンティティーにあるように、未来の印刷業界に向けた価値を提供するべく、お客様が本当に必要な潜在的なニーズをしっかり捉え、先進的な製品をご提供できるようにしてきたいと考えている。


──エコスリージャパンについて


岡本 日本の印刷市場規模は世界の中でもトップクラスであり、エコスリーの本社も重要な市場と捉えている。日本でのエコスリーのシェアはまだ低いが、エコスリーグループとして今後、積極的な投資によって日本でのビジネスを伸ばしていく方針だ。私の立場から見れば非常にありがたく、エコスリージャパンに投資をしてもらいながら日本でのシェア拡大に力を入れていきたいと思っている。具体的には、弊社製品でお客様の総所有コスト削減に貢献するということである。

 我々は、「CTPプレートは経営改革ができる重要な印刷材料」と考えている。お客様は自動現像機を必要としない機上現像プレートや弊社の定評のあるガム洗浄プレートなど、CTPプレート種の選択肢が増えてきているが、採用の際は印刷機を含めた運用時間、ヤレ、インキマイレージなどトータルコストの観点から採用の意思決定をしていただきたいと思っている。一部を効率化して、他のプロセスが不効率化するようなことは厳しい経営の中であってはならないことである。欧米では製造業で「Total Cost of ownership」という言葉が良く聞かれる。和訳すると総所有コストという意味だが、印刷資材のコストだけでなく、印刷機の稼働時間、メンテナンス時間の工数も含めた印刷プロセスのトータルコストを指す。我々はお客様に対して製品の販売だけでなく、総コストの削減にも貢献していきたいと思っている。

 日本の印刷市場で求められる品質、サービスは世界的に見ても非常にレベルが高く、エコスリー本社としても日本市場の要求にしっかり応えることができれば他の国でも認められるという考えを持っている。エコスリージャパンとしては、日本のお客様のニーズを適切に本社に伝え、お客様の期待に応えたソリューションを提供することが世界のお客様の満足度向上につながると考えている。

 エコスリージャパンのミッションは「ECO3の独創的な商品を日本市場に適応すべく『ローカリゼーション』をしっかり行いながら、日本のお客様のお役に立つこと」である。我々の声をしっかりと本社に伝え、日本市場での要求を製品開発に反映させることも大きなミッションだと捉えている。一方で、印刷の歴史の長いヨーロッパならではの合理的な考え方や仕組みも日本市場に持ち込みながら印刷業界のさらなる発展に貢献したい。


──ユーザー会について


岡本 2002年に約20社で発足したユーザー会も、いまや300社に迫る規模に大きく成長した。ユーザー会は、我々にとって非常に大事な存在であり、これからもしっかりと運営していきたいと考えている。ユーザー会では弊社からの情報提供以外にもユーザー講演やユーザー交流会などいつも盛り上がりを見せており、お客様からも高い評価をいただいている。業界の中でも非常に活気のあるユーザー会とコメントをいただくことも多い。

 今回のブランド変更にともない、ユーザー会も「アグフアユーザー会」から「エコスリーユーザー会」と改称したが、弊社としてもお客様から多くのご意見を頂ける良い機会とも捉えており、今後もかわらず定期的に開催していきたいと思っている。

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