ユーメディア、日本初のLED UV乾燥方式+折機仕様〜システムG38導入
サステナブルな印刷の実現へ
仙台市を拠点に印刷・出版を核として、広告・プロモーション・広報支援、ウェブ・映像制作、自社メディア運営、イベント企画・運営など幅広い事業を展開する(株)ユーメディア(宮城県仙台市、今野均社長)。同社は2024年11月、サステナブルな印刷の実現を目指し、高生産性を誇る輪転機でありながら、枚葉機の印刷品質を可能にするシステムG38(LED UV搭載A横全判両面オフセット印刷機)を導入した。その背景と効果について、今野社長と印刷製造部執行役員の安部秀樹氏、同部プロダクションチーム課長の鈴木健司氏、同部同チームプレスグループ主任の大村新哉氏に聞いた。

印刷事業を基盤に多角的なビジネスで地域に貢献
1960年創業のユーメディアは、印刷を基盤に、出版・ウェブ・映像・イベントなど多角的に事業を展開してきた。「現在は、印刷に限らず、地域のコミュニケーションデザインカンパニーとして業態変革を進めている」と今野社長は語る。
その事業領域は多岐にわたり、仙台の情報誌「S-style」といった自社メディアの発行・運営や、仙台オクトーバーフェストなどの地域イベントの企画・運営なども手がけている。
「印刷・出版・ウェブ・イベントをワンストップで企画運営できる体制が強みである。また、地域の方と交流する夏祭りや地元の小学生を招いた工場見学など、印刷の価値を伝える活動にも取り組んでいる」(今野社長)
印刷事業への投資と省エネ補助金へのチャレンジ
今回のシステムG38導入には、大きく二つの目的があったという。「一つは、多角的事業が成長する中で、印刷設備への大型の設備投資を通して『印刷にも注力していく』という強い意思を社内に示すこと。もう一つは、省エネ・環境対応を重視したサステナブルな印刷を実現すること」と今野社長。そのため、環境面の要件が厳しい省エネ補助金にチャレンジした。
「先進的省エネルギー投資促進支援事業費の採択を目指した。導入までのロードマップを描いてもらうなど、KOMORIの補助金サポートの手厚い支援のおかげで採択が決定した。この採択は国からの後押しであり、当社の方針が国の施策や方向性と合致しているということを社員が強く認識してくれた」と今野社長は語る。
システムG38で実現した柔軟な生産体制
第一の導入効果は、生産体制の柔軟化だ。「当社では、H-UV搭載の両面枚葉印刷機に加え、今回導入したLED UV乾燥方式のシステムG38により、枚葉機と輪転機の両方で同等品質の生産が可能な体制を構築した。これにより、繁忙期・閑散期に応じて印刷機の稼働を最適化できるようになった。従来は枚葉機で対応していた案件も輪転機でスピーディーに対応できるようになり、生産体制の柔軟性が大幅に向上した。また、折機を装備したことで、従来は枚葉案件で外注していた折り加工の内製化も実現している」と今野社長。
安部執行役員も「機械のデジタル化により操作性が向上し、同機にも若手を投入しやすくなったことで、多能工化をさらに進めている。人員配置の多様性を高め、生産拠点全体の最適化や計画生産を実現していきたい」と説明する。
枚葉機と同等の印刷品質で生産性も大幅向上
第二の効果は、印刷品質と生産性の向上だ。安部執行役員は「従来のオフ輪機ではドライヤーの熱によって用紙が波打つ『ひじわ』が発生していたが、本機はLED UV乾燥方式のため、『ひじわ』が発生しない。これは、印刷品質の面で圧倒的に大きなメリット」と強調する。

鈴木課長も「従来のオフ輪機に比べて、印刷表面のグロス感も問題がなく、枚葉印刷と比較しても同等の品質を担保できている」と評価。さらに今野社長も「顧客から印刷品質について評価の言葉をもらっている」と明かす。
生産性向上について特筆すべきは印刷の立ち上がりの良さだ。「スタートから500回転で、色調も印刷見当も折り精度も安定し、OKシートがつくれる」と鈴木課長は説明。さらに、最高印刷速度での稼働について「システムG38は、常時500回転/分という最高速度で稼働しており、時間当たり3万枚の生産が可能である。この回転速度は、枚葉機の高速タイプと比べても圧倒的に高い生産性を実現している」と説明する。
安部執行役員は「損紙は700枚/ジョブを目標に進めている。従来のオフ輪機と比べると大幅に削減されており、生産性の向上を実現している」と総評する。
また、大村氏は「これまでは感覚でやっていた部分も、数値を基準に調整できるようになり、若手にも説明しやすくなった」と説明する
職場環境の大幅な改善と省エネ目標以上の成果
第三の効果は、職場環境の大幅な改善と省エネだ。従来の輪転機ではドライヤーの熱の影響によって、夏場には室温が38度を超えることもあったが、「現在は30度を超えることはなく、騒音も大幅に軽減され、現場スタッフにとって快適な環境となっている」と大村主任は実感を語る。また、ドライヤーが無い分、省スペース化が進み、今回、折機に加えて、A1シーターの装備が可能になったという。

今野社長は、省エネ効果について「目標を上回る成果が出ている」と満足感を示している。同社は、カーボンゼロプリント工場認定やノンVOCインキの採用など、環境経営の先進企業として業界をリードしている。
今野社長は「環境面で優位性のあるこの設備が東北にあることを広く発信し、地域企業や同業他社と連携しながら、新たな市場を創造していく」と今後の展望を語る。旧工場のリノベーションでは、印刷以外の価値創造や地域連携の拠点づくりも進めており、地域活性化に貢献する取り組みも進めている。「KOMORIには、生産品質のさらなる安定化に向けた、長期的な伴走型の支援を期待している」と語った。











































