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Koenig&Bauer社、「Exceeding Print」戦略を新たな企業目標に

2022年1月17日

持続可能性、モジュール性、デジタル化に焦点


 Koenig&Bauer社は、新しいグループ戦略となる「Exceeding Print(印刷を超えて)」というスローガンを掲げ、さらに将来に向けた持続可能性の目標を設定した。

 同社は、旧来型の機械メーカーからアジャイル型開発を行う技術集団への変革を続けており、すでにデジタル化とモジュール性の向上を進めていることもその針路の一環で、パッケージ印刷をはじめとする同社のコアビジネス市場での成功につながるだけでなく、印刷工程で使用される材料とエネルギーも少なくすることができ、それにより持続可能性も高められる。

 同社では、生産工場から排出されるCO2量を、2025年までに75%削減することを目指しており、2030年以降は完全にカーボンニュートラルになる予定だという。

 同社CEOのAndreas・Pleßke博士は、「持続可能なソリューションを提供する、業界を牽引するメーカーとして、ユーザーのエコロジカルフットプリントについても削減ができるように支援する。私たちが開発したテクノロジーに基づくソリューションは、エネルギー消費量および廃棄物を削減し、インキとコーティングの消費量を削減して、さらにはCO2排出量の削減に役立つ」と述べている。

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モジュール性:効率を高めるための鍵


 同社が開発する次世代機のためのモジュラープラットフォームは、印刷会社に多くのメリットを提供する。「新技術がより迅速に市場投入されるだけでなく、機械とシステムの統合制御、およびメンテナンスの標準化が可能になる」と、COOのMichael・Ulverich氏は強調する。また、「モジュール式の採用により、お客様はオーダーメイドなソリューションを導入できるというメリットがある。多くの要素を標準化することにより、安定的な高品質さを提供すると同時に、革新性や差別化を図る機会が増えることにもなる」と述べている。

 同社は、小さな歯車から高度で複雑なユニットにいたるまでの高レベルな垂直統合・内製化を果たすことで、将来にわたって企業としての独立性・自律性を維持する考えだ。


デジタル化:顧客に合わせたグループ全体のソリューション


 デジタルサービスは、各機械を相互にネットワーク化してデータを収集および分析し、プロセスを効率的に制御するために、ますます重要になっている。Koenig&Bauer社は、高度なスケーラビリティを持ったクラウドプラットフォームをベースにしてデジタルサービスを開発しており、コラボレーション用のポータルを介してユーザーもそれを利用できるようになっている。

 機械の稼働データを分析することで、稼働効率・実績を評価したり、ユーザーにおける改善指標の設定を行ったり、今後の計画について分析できる。また、機械の稼働・挙動データをAIと組み合わせることで、ユーザー各社で稼働する機器がトラブルを起こしてしまう可能性について、早期に、正確に識別し、サービスとメンテナンが自動的に開始できるようになる。これによりユーザーは、稼働する機器の突発的なダウンタイムの発生を抑えることができるとともに、それに応じてサービスのスケジュール変更も可能となる。

 枚葉オフセット印刷機部門管掌の取締役およびCDOを務めるRalf・Sammeck氏は、「グループ全体で、販売、サービス、マーケティング、およびそれらの周辺の機能は、すべてCRMアプリケーションを使用している。このアプリケーションは、ネットワークに接続されている世界中で稼働中の機器の実績データも把握・分析できる」としている。


パッケージ印刷における準備時間短縮と柔軟な生産工程


 同社の高性能デジタル印刷機は、超短期への対応、急な変更への対応、セキュリティ印刷、トレーサビリティへの対応、およびパーソナライズ印刷やバリアブル印刷に対応することから、新しく革新的なビジネスモデルをパッケージ印刷の世界に提供する。このデジタル印刷機を活用することは、バリューチェーン全体を捉えた上でのコスト最適化につながる。

 また、オフセット印刷・デジタル印刷・加工ユニットのすべてを1台に搭載していることにより、紙、板紙、段ボール、フィルムのどの分野においてもハイブリッド印刷が可能となっている。これにより、オフセット印刷/デジタル印刷の双方の利点を最大限に活用し、あらゆるさまざまな原反を使用することができる。同社は、食品および飲料のカートンパッケージ業界に参入し、将来的にはカートンパッケージへのフルカラーデジタル印刷を可能にする考えだ。


          ◇            ◇


 最後にCFOを務めるStephen・Kimmich博士は、次のように述べている。

 「当社は、厚紙や段ボールをはじめとしたほぼすべての種類の素材・原反に対して、すべての産業用印刷方式の機械を提供できる世界で唯一の印刷機メーカーであり、印刷および加工工程全体にソフトウェア、システム、サービスを提供している。突き詰めると、『製造工程全体でかかる総コスト』を最適化することは、導入する機器やテクノロジーを決める上で、これまで以上に重要な要素となる。そしてまた、ユーザーにとって『信頼できるアドバイザー』であり、印刷業界の変化と革新を先導する存在になりうると考えていただける理由にもなる。『Exceeding Print』戦略は、Koenig&Bauer社の中期的な財務目標の達成に貢献。これにより、売上高は13億ユーロ、EBITマージンは7%以上になると見込んでいる」

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