ピツニーボウズジャパン、DX総合EXPOでセミナー「郵便業務のDX化で新たな『キカイ』創出」
封入封かん機の内製化など提案、「第2回バックオフィスDXPO東京2025秋」にも出展
ピツニーボウズジャパン(株)(本社/東京都品川区)は、10月29〜31日に幕張メッセで開催されたDX総合EXPOにおいて、「郵便発送業務の効率化と可視化」をテーマにブース出展。出展企業セミナーでは、ポスタルアライアンス部の中戸麻央部長が「進化する郵便発送業務 デジタル(DX)化のご提案〜郵便発送業務のキカイ(機械)化で新たなキカイ(機会)創出を!!」と題し、郵便料金計器・分析システム・封入封かん機による業務改革を紹介した。印刷・発送業務を担う企業にとっても、DX推進の好機を示す内容となった。

郵便料金計器の活用で作業効率と心理的負担が軽減
ピツニーボウズは、1920年に世界で初めて郵便料金計器を発明して以来、100年以上にわたり郵便業務の機械化をリードしてきた。日本でも1952年、当時の郵政省(現・日本郵便)より認可を受けて以来、70年以上にわたり多様な業界で信頼を得ている。
講演の冒頭、中戸部長は郵便料金計器を中心に日々の発送業務を手作業から機械化することにより「簡単・正確・スピーディー」な処理を実現できると紹介した。郵便料金計器とは、封筒に切手の代わりとなる料金スタンプを直接印字できる装置であり、切手の購入・管理や郵便局への持ち込みといった煩雑な作業を不要とするものだ。
中戸部長は「使った分だけ翌月末に口座引き落としされるため、切手の買い置きも不要。部署ごとの利用制限やパスワード設定も可能で、月次管理が容易になる」と導入メリットを説明。さらに料金改定時には自動で最新料金に更新されるため、誤差や人的ミスの心配もないことも強調した。

また、導入事例として保育施設向けICTサービス企業を紹介。この企業では、以前は郵便物の郵便局への持ち込みに時間を取られていたが、導入後は社内で印字・投函まで完結できるようになり、「5時までに郵便局へ走る必要がなくなり、ゆとりが生まれた」との声が寄せられた。差出票の記入が不要となり、訂正印の持参も不要になったことから、作業効率と心理的負担の軽減にもつながったという。
PitneyAnalyticsでデータの「見える化」を実現
続いて、今年4月にリリースした最新システムの「PitneyAnalytics(ピツニーアナリティクス)」を紹介した。これは、複数拠点で使用する郵便料金計器のデータを自動で集約・可視化するクラウドアプリで、本社と支店間でのコスト管理や使用状況の一元管理を可能にする。
「これまで、各拠点からレポートを回収して手動で集計していた企業では、ヒューマンエラーや確認作業の負担が課題でした。PitneyAnalyticsなら、ログインするだけで最新データを確認でき、拠点別・期間別・種別別の分析が即座に行えます」と中戸部長は説明した。

ダッシュボード上には郵送費用や通数、平均コストなどがグラフ化され、部署ごとの支出を一目で把握できる。レポート項目は自由にカスタマイズ可能で、エクセル形式へのエクスポートや自動送信にも対応。例えば「毎月1日、朝9時に前月分の集計を本社経理部へ自動送付する」といった設定も可能である。これにより、郵便料金計器の導入が単なる業務効率化だけでなく、データ活用による経営改善につながる。中戸部長は「ガバナンス強化にもつながるシステム。郵便業務のDX化を一気に推進できます」と強調した。
封入封かん機で、社員はコア業務に集中することが可能に
そして講演の後半、注目を集めたのが封入封かん機の紹介である。近年では、大量発送業務を外注せず、小型の封入封かん機を導入して社内で内製化する企業が増えているという。
中戸部長は「郵便物の封入作業は、一見単純に見えて実は神経を使う仕事。誤封入は会社の信頼を損なうだけでなく、情報漏洩リスクにもつながります。だからこそ、機械化によるミス防止が重要です」と警鐘を鳴らした。
同社の封入封かん機は、バーコードやOMRマークを付与すれば、宛先ごとに異なる枚数の帳票でも正確に仕分け・封入が可能となり、誤封入率を大幅に削減できる。展示会のブースに展示された卓上型モデルは、小型ながらも汎用性に優れ、1時間に3,500通の処理能力を誇る。請求書や契約書、会員通知など、様々な帳票に対応できる。中戸部長は「封入封かん機を導入することで、担当者の手が空き、他のコア業務に集中できます。生産性向上と人手不足対策の両立が可能になります」と説明した。
印刷会社や発送代行企業の間でも、この小型インサーターを第2の機械として導入する動きが広がっているという。大型機の補助や、小ロット対応のバックアップ機として活用されるケースも多いようだ。
「外注するとコストも時間もかかり、個人情報の管理リスクも高まります。内製化によりコスト削減と安心の両立を図る企業が増えています」と中戸部長は説明。導入企業からは「小型・安価ながらも使いやすく、月次業務が格段にスムーズになった」と好評の声が寄せられている。

さらに、来年4月を目処にデジタル庁が推進する帳票フォーマット標準化を背景に、封入封かん機のニーズはさらに高まる見通しだ。納税通知書などの発送フォーマットが統一化されることにより、帳票印刷と封入処理をワンストップで行いたい企業からの需要が拡大しているという。
最後に中戸部長は「人手不足や働き方の多様化が進む今こそ、機械に任せる業務と人が担うコア業務を明確に分けるべきです。当社は、社員が本来の業務に集中できる環境づくりを支援していきます」と述べて、講演を結んだ。
なお、同社は11月25日〜26日に有明GYM-EX(東京都江東区有明1-10-1)において開催される「第2回バックオフィスDXPO東京2025秋」にも出展し、郵便発送業務のDX化を提案する。












































