月間4,000版を安定運用[Adamas採用事例]
高耐刷性ガム処理プレート:対「無処理」で視認性評価
「鮮やかな色彩で結ぶコミュニケーション」─「より早く、より美しく、より正確に、より尖鋭に」をモットーとする高千穂印刷(株)(本社/東京都荒川区東日暮里2-49-1、藤原直幸社長)は今年1月、エコスリーの高耐刷性ガム処理プレート「Adamas(アダマス)」の全面採用で、刷版工程を一新。商業オフセット印刷事業へのこだわりの中で、強みである「品質要求に寄り添う姿勢」と「圧倒的な瞬発力」に磨きをかけている。

印刷会社の生産工場として
同社の創業は1985年。同業の印刷会社からの仕事を中心に、チラシやパンフレットから書籍やアルバム、看板、ポスター、大型バナー、のぼりまでを手がける総合印刷会社として今年40周年を迎えている。
現在の印刷機設備は、LED-UV仕様の菊全判5色機をはじめ、油性のA全判4色機、2色機、菊半裁判4色機の計4台。なかでも菊半機は厚紙にも対応するため、小サイズのパッケージなども一部で手掛けるなど、その「守備範囲の広さ」も特徴のひとつだ。
そんな同社の最大の強みは、「仲間仕事」のなかで鍛えられてきた「瞬発力」だ。LED-UV機を主力とする短納期対応にはかなりの自信をうかがわせている。
一方、写真集をはじめ、パンフレットやキャラクター物など、シビアな品質が求められる仕事も多い。現場では毎日のように本機校正+立ち会いが行われ、その「品質要求に寄り添う姿勢」と「圧倒的な瞬発力」で、顧客である印刷会社の生産工場として機能している。
「手探りの運用」らの解放
4台の印刷機に供給するプレートは、およそ10年前に開設したグラフィックメディア事業部が一手に担っている。数年前から自動現像機の老朽化にともない、完全無処理版への移行を検討してきた同社だが、当時は油性2色機も老朽化が進む中で機上現像における湿し水の管理が難しい状況にあり、半ば断念を余儀なくされていたという。グラフィックメディア事業部の渡邉恵司部長は、「ただ、刷版工程の無処理化は世の中の流れ。ネックになっていた油性2色機の更新を機に、無処理版の採用に踏み切った」と当時を振り返る。

満を持して無処理版での運用を開始した同社だったが、機上で現像するという仕組み上、メーカーや仕様が異なる各印刷機の適正にはバラツキが生じ、同じ版を使っても「この機械では問題ないが、この機械では現像不良が起こる」「プレートクリーナーを使ってもゴミが取れない」といったトラブルが散見されたという。この原因追及においてもグラフィックメディア事業部が各機械のコンディションや運用状況を詳細に把握できる状況にはなく、とくに原因が分からないまま、まさに「手探りの運用」が続いていたという。
では、有処理版に戻すのか─。「まずその選択肢はなかった」と渡邉部長。そこで最有力候補として浮上したのがガム処理方式の「アダマス」だ。
「無処理版を経験すると有処理版には戻れない。その意味で、選択肢は『ガム処理』しかなかったと言える。版支給の仕事でアダマスの印刷実績もあったことから、導入から10年目に入ったCTPの更新タイミングだった今年1月、一気にアダマスの全面採用に踏み切った。印刷現場では、無処理版への切り替え時には反発もあったが、アダマスには何ら抵抗を感じなかったようだ」(渡邉部長)












































