5Gの活用で解決したい課題の1位は自動化・省力化
IDC Japan(株)は、5Gの利活用に関する国内企業へのアンケート調査結果を発表した。これによると、ユーザー企業の多くが5Gで解決したい課題として現場の働き方変革を重視していることが判明した。
同調査では、5Gを利用する予定がある企業が5Gで解決したい課題の中から、優先順位の高いものを最大3つまで順序を付けて回答。その結果、「最も重要」な課題のトップ3は、回答比率の高い順に「自動化、省人化」「働きやすい職場づくり」「作業の遠隔化、労働力の広域シェア」であった。また、回答比率が5番目に高かった課題は「従業員の安全性の向上」であった。これらはいずれも、産業現場の働き方に関するものである。
第1位の「自動化、省人化」と第2位の「働きやすい職場づくり」については、国内で深刻化する労働力不足が背景にあるとIDCはみている。特に、若者にとって魅力の乏しい職場、例えば作業が単純でつまらない、危険が多い、残業が多い、上下関係が厳しい、そして、労働集約型で労働者一人当たりが生み出す付加価値が低いがゆえに給与水準が低いといった現場では、労働力の確保が困難になりつつある。これに対する解決策として、今後、多くの企業が5Gとロボット、AI、自動運転などを組み合わせ、単純作業や危険作業を減らしたり、また、資本集約型への転換を図るための設備投資を行うなどの取り組みを加速するとIDCは考えている。
また、第3位の「作業の遠隔化、労働力の広域シェア」に関しては、これによって必要な労働力の確保や労働時間の削減が可能になる。例えば、これまで熟練者と非熟練者がペアで行ってきた現場作業を、5Gに接続されたARグラスなどを装着した非熟練者一人で行い、遠隔地にいる熟練者が複数の非熟練者を支援するといった新たな働き方への関心が高まっている。特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、遠隔作業に対するニーズは急拡大している。
同社コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は「労働力不足が深刻化する中、人とAI、人とロボットの協働や、ARデバイスなどを通じてリモート環境の労働力を活用する取り組みが進んでいる。5Gはこうした取り組みを支える重要なインフラとなるだろう。また、企業がこのような検討を行う場合に重要となるのは、先進技術を単なるコスト削減や売上向上の手段としてではなく、労働者がいかに快適かつ無理なく働ける環境を作るか、また技術への投資によって労働生産性をいかに高めるかといった視点である」と述べている。
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