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新藤慶昌堂(東京)

特殊トナーのビビッドな色再現が同人誌市場で高評価

[Revoria Press PC1120導入事例]大容量スタッカー・自動検査システムで「マルチタスク」

期待を超える印刷品質、現場のマルチタスク化によりサービス向上

 PC1120を導入して最初に実感したメリットは、常に安定した仕上がりが得られる「品質・安定性の高さ」だったと永井氏は語る。

 「企業からの仕事では、データ通りの忠実な再現が求められる。その点、PC1120の品質と安定性は非常に心強いものがある。一方、同人誌の仕事では、イベント会場でパッと見たときのインパクト、『表紙のきれいさ』が何より重要になる。それも普通のきれいさではなく、『期待の上を行くきれいさ』が求められる。納品後、イベント会場に視察に行くこともあるが、そのときにお客さまから『すごくきれい!』と喜びの声を直接お聞きすると、『期待以上の品質』の大切さを改めて感じる」(永井氏)

 もうひとつ、PC1120を導入したことで格段に向上したのが、デジタルプレスグループ全体の作業効率と生産性だという。

 「導入・設置したのが同人誌の大きなイベントの直前だったが、メンバーの協力もあり、うまく立ち上がってくれて、稼働開始直後からトラブルもなくフル回転で生産に入ることができ、納期に間に合わせることができた」(永井氏)

 このようなスムーズな立ち上がり、効率的な生産が実現した背景には、永井氏を含めた4名のグループメンバー全員が製本工程経験者であることも挙げられる。

 「後工程をわかった上で出力するのと、データを出力することだけを仕事にするのとでは大きな違いがある。当グループは、全員が出力から出荷まですべての工程を理解し、サポートし合える体制になっている。そんな環境にあって、PC1120の導入によって出力オペレーションの負荷が大幅に軽減されたので、全体の生産性向上につながっているのだと思う」(永井氏)

 加えて、PC1120の大容量スタッカーや検査システムなどにより、出力している間にさまざまな作業を並行して進める「マルチタスク」的な動きができるようになったことも、生産性向上に大きく寄与している。とくに、製本加工や梱包、発送まで次々と効率よくこなさなければならない小ロット・短納期の仕事では、マルチタスクを可能にするPC1120は重要な役割を果たしている。

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グループメンバー全員が製本工程経験者


PC1120のメリットをさらに引き出し、新たなサービス・商材の提供へ

 現在、PC1120の大きな特徴である特殊トナーを前面に打ち出した新しいサービスや商材の準備を進めている。その中には、ピンクトナーを使った同人誌向けサービスや、ゴールドトナーを活用したカレンダーなどがある。

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特殊トナーを前面に打ち出した新しいサービスや商材の準備を進める


 社内の経験値を蓄積するため、複数の同人誌の顧客に了解を得てピンクトナーを試験的に使用したところ、「イベント会場で飛ぶように売れた」との反応があったという。

 「イベントでは、たくさんの同人誌がテーブルに並べられるわけだが、その中でピンクトナーを使った鮮やかな表紙は来場者の目を引き、予想以上に売れ行きが良かったそうだ。特色の効果を改めて実感した」(永井氏)

 また、同社ではPC1120の品質の高さを活かし、「営業がオフセット印刷・デジタル印刷を意識せずに仕事を流せる環境の構築」を目指している。現在は大部分の仕事で、顧客の予算感や納期などをもとに、オフセット印刷/デジタル印刷への振り分けを営業が判断しているが、後工程まで含めた効率・コスト面を考えると、デジタル印刷の方がメリットが大きくなるケースは多いという。

 一方、社内にはデジタル印刷の品質に対する不安がまだ残っているといい、永井氏は「オフセット機とデジタル機のシームレスな活用を実現するためには、いままでのデジタル印刷に対するマイナスのイメージを払拭する必要がある」と語る。

 「PC1120の品質の高さ、オフセットと遜色のない仕上がりを営業にしっかりと見てもらい、理解を促しつつ、活用の幅をさらに広げていきたい」(永井氏)

 今後、新しいサービス・商材の開発や生産環境づくりを進めていくにあたり、FFGSの役割に対する期待も大きいという。永井氏は最後にこのように語ってくれた。

 「私はこれまで、製本、製版、デザイン、Web制作、刷版などさまざまな部署を経験し、その過程で社内にたくさんの『相談できる仲間』ができたが、FFGSもサービスや商材のイメージを一緒に膨らませてくれたり、それを具現化する方法を一緒に考えてくれたりする仲間だと思っている。こうした仲間は、PC1120を有効に活かしていく上で欠かせない存在。今後、デジタルプレスグループのメンバーの力も借りながら、PC1120のメリットをもっと引き出し、新藤慶昌堂としての商品開発力・提案力の底上げを図っていきたい」

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