ハイデルベルグ・ジャパン、顧客とともに成功を
日本での事業開始から100年〜ヨルグ・バウアー社長に聞く
ハイデルベルグ・ジャパン(株)(本社/東京都品川区、ヨルグ・バウアー社長)は本年、日本で事業を開始して100周年を迎える。1926年、当時の川嶋商店とハイデルベルグ社の契約で日本におけるビジネスがスタート。以来、ハイデルベルグ・ジャパンは、「お客様が成功を収めて初めて、私たちも成功することができる」という創業時から受け継がれてきた、この精神を礎に日本の印刷産業の発展・成功に大きく貢献してきた。今回、同社・ヨルグ・バウアー社長に、これまでの100年を振り返ってもらうとともに、これからの取り組みについて聞いた。

日本の印刷産業の一員として
私たちは、おかげさまで今年、日本でビジネスを開始して100周年を迎える。しかし、これは単にドイツの企業が日本で事業を行ってきた歴史ではない。私たちが日本の印刷産業と100年にわたり、ともに歩み成長してきた歴史である。その結果、日本の印刷業界のビジネスパートナーとして我々も成長を遂げてきたと思う。
創業時から現在に至るまで、ハイデルベルグは日本の印刷会社の皆さん、パートナー企業の皆さん、そして社員、OBの方たちと歩んできた。私たちは、単なる外資系メーカーではなく、日本の印刷産業の一員であると考えている。
日本は、世界で最も品質要求水準が高いマーケットの1つである。だからこそ、ハイデルベルグにとって日本は、技術力や価値が本物かどうかを図る資金石ともいえる特別な存在である。日本で認められたものは、世界でも認められる製品となっていく。
日本のユーザーは品質に対して誇りをもっており、その要求に応えるためにソフトやハードの技術革新が進み、結果として世界市場でも認められる製品となっていく。ハイデルベルグの主要マーケットは、米国、中国、そして日本となる。そのためハイデルベルグ本社でも日本のマーケットを非常に重要だと考えている。
顧客の課題解決に最新技術を提案
この100年間、私たちは、お客様とともに変化してきた。印刷技術は、オフセットからデジタルへ、さらにハイブリッド生産へと広がっている。それに伴い、私たちの役割も機械を提供するメーカーからソリューションやコンサルティングを担うパートナーへと進化していった。
また、デジタル印刷はオフセット印刷に代わるものではない。短納期、小ロット、カスタマイズによる高付加価値などのニーズに応えるための重要な生産設備の1つである。
日本の印刷産業では現在、人手不足に悩んでいる。熟練オペレータの引退、短納期化、多品種化、そして属人化したプロセスの課題に直面している。これらの課題に対しては、インクジェット印刷機をはじめとするデジタル印刷機の活用がその解決手段となる。インクジェット印刷機と後加工機をインライン接続することで、印刷から加工までを1人のオペレータで完結することができる。日本は欧米と異なり、使用する用紙など発注者側の意向に沿った生産が必須となるが、この要件がなくなればデジタル印刷機と後加工機をインライン接続したシステムが日本のマーケットでも活躍できるソリューションとなるはず。
教育を通じて顧客のビジネス発展を支援
一方でデジタルやAI技術が進んでも印刷の重要性が変わらない。信頼性の高い情報伝達手段として印刷は、その役割を担い続けている。
そうした中で、ハイデルベルグの役割は、機械を販売することだけではない。自動化やワークフローの統合、コンサルティング、そして教育を通じて、お客様の生産性と収益性を支援することである。さらにハイデルベルグは、収益性の伴わないサステナビリティは成り立たないと考えている。環境対応と経済的成功は必ず両立すべきものである。
そしてAIや自動化が進んでも印刷産業は、人によるビジネスとして継続していく。もちろん自動化した生産システムの中で働くオペレータは減っていくと思うが、企業にとって人は、大切な財産である。
そのためにも人材育成とリーダーシップへの投資が今後、ますます重要になってくる。今までの習慣や生産システムをどこかで変えなければいけないと、多くの印刷会社の経営者は思っているはず。印刷現場では、従来のやり方を変えることに抵抗がある。だからこそ経営者がリーダーシップを発揮し、変化を推し進めなければならない。働き方改革、アナログからデジタルへの移行を実現するためには、強いリーダーシップが不可欠となる。このような変革への要求に対し、私たちは、お客様のパートナーとして、そのトランスフォメーションの実現を支援していきたいと考えている。
「ともに未来を創る」
私たちは、これからの指針として、「ともに未来を創る」を掲げ、お客様やパートナー企業とともに印刷の価値を創造し続けていく。今年3月には、インクジェットデジタル印刷機「ジェットファイア50」の日本1号機の納入が完了し、現在、導入先の印刷会社で順調に稼働している。

このほか、ガルス社のガルスラベルマスターをはじめとするラベル印刷機の国内販売も開始している。すでに社員のトレーニングも実施しており、今後は資材関連のパートナーシップ企業とも連携し、当社のショールームでデモを披露できるよう準備している。ガルス製品は、デジタル印刷だけでなくフレキソや各種加工ユニットを搭載できるので、高付加価値ソリューションを提供できる製品として販売に注力していきたい。また、ショールームのほか、実機展示はできないが各種展示会にも出展し、ガルス製品の強みや特徴を広くアピールしていきたい。

また、将来的な展望となるが、オフセットやデジタル、フレキソといった印刷方式にこだわらない、アプリケーションのコンサルティングにも着手していきたい。何度もいうが、単に機械を売るのではなく、お客様の課題の抱える問題を理解した上で、アプリケーションの活用で円滑に仕事がこなせる生産環境の構築を支援できるパートナーになっていきたい。もちもん、そのためには、お客様からハイデルベルグは必要なパートナーとして認識してもらうことが重要である。








































