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新進商会(東京)

色基準策定と定期診断で品質安定化[FFGS QC Navi導入事例]

刷り出し時間半減〜作業標準化で生産効率向上

 PCなどの情報機器端末に関わるさまざまなアウトソーシングサービスを提供する(株)新進商会(本社/東京都港区三田2-17-25、北田克仁社長)は、マニュアルやパンフレットなどの印刷・加工を手がける製造拠点「掛川プリンティングセンター」(静岡県掛川市光陽206)において、FFGSの総合カラーマネジメントソリューション「FFGS QC Navi」を活用し、印刷現場の作業の標準化、品質の安定化を図り、顧客の厳しい品質要求に応えている。QC Navi導入の背景にはどんな課題があり、それがどのように改善されたのか。同センターで主にCTP工程を担当するマネージャー・川口雅一氏と、印刷部門を統括する神宮路志郎氏に伺った。


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川口マネージャー(左)と神宮路氏

いかに品質を維持するか

 同社は1940年に製図用品の専門商社として創業。80年代にソフトウェアコピー事業で大きく成長を遂げ、90年代以降はPC関連事業を基軸に、資材調達から製造、物流、品質管理まで、さまざまなニーズに応える形でサービス内容を拡大してきた。現在は、国内10拠点(関連会社含む)に加え、中国、ベトナム、タイ、北米など海外にも拠点を設け、グローバルに事業を展開。各種情報機器端末の流通加工・梱包、メディア複製、フルフィルメント・物流センター代行、検品・検査代行、印刷・製本、キッティングなどを総合的に手がける。

 掛川プリンティングセンターは、2010年に開設された製造拠点で、PCなどの商品に同梱する各種印刷資材(マニュアル、パンフレット、カタログなど)の製造を一手に担っている。本社でデザイン・制作し校了となったデータを受け取り、CTP出力から印刷、製本加工、梱包までを行う。同じ建屋内に設けられたアッセンブリ(組立加工)工場との連携により、安定した品質の製品を短納期で提供できるところが強みになっている。印刷設備はオフセット機3台の体制で、菊全5色機が1台と菊全2色両面機が2台。カラー物は基本的に5色機で印刷する。

 印刷事業のメインクライアントは大手PCメーカー。印刷物の内訳としては、マニュアルなどのモノクロ物の比率が高いが、カラーのパンフレットなども一定の割合で受注しており、品質にシビアなものが多いという。

 「カラーの印刷物に関しては、美術印刷のような『絶対的な色のきれいさ』よりも、色が常に安定していること、微細な汚れの付着がないことなど、工業製品としての品質の高さが求められるので、日頃の品質管理や検品体制が重要になる。しかも、リピート物も多いので、前回印刷したものと差が出ないよう、色の変動にはとくに注意を払っている」(川口マネージャー)

 また同センターでは、中国の技能実習生の受け入れを行っており、各印刷機のオペレーションはすべて実習生が担当している。ただ、外国人技能実習は制度上、期間が3年までと定められているため、オペレーターが3年ごとに入れ替わることになる。こうした環境下でいかに印刷品質を一定に保つかがこれまで大きな課題となっていた。

 「当然、人の腕に頼るやり方では成り立たない。作業を標準化し、誰がオペレーションしても同じ色を出せる体制をつくる必要があることから、より効率的に、かつ確実に色を管理できる仕組みを検討していた」(川口マネージャー)

品質は悪くなかったが、職人的なやり方に課題があった

 色管理の体制づくりに本格着手したのは、約6年前。CTPの更新がきっかけだった。

 「富士フイルムの新しいCTPセッターと無処理プレートを導入することになったのだが、その際に色管理の課題について担当営業に話したところ、とても親身に相談に乗っていただき、その中で具体的なサポートの提案もいただいた。現状の印刷品質を詳しく分析した上で、色基準づくりから機械メンテナンスの改善までフォローしていただけるという、非常に安心感のある内容だったので、早速お願いすることにした」(川口マネージャー)

 当時、色品質そのものに大きな問題はなく、Japan Colorの範囲内にほぼ収まっており、顧客からクレームが入ることもなかった。ただ、色を合わせる際に明確な基準がなく、見本の色も安定しない中で「職人技」で調整していたことから、オペレーターの技量によって色がブレやすく、刷り出しに多くの時間を要していた。

 そこで、まず印刷品質を詳細に把握するため、菊全5色機についてFFGSによる印刷診断を実施。その結果をもとに、「新進商会の基準色」をあらためて設定し、色合わせのターゲットを明確にした。ただ、この時点では、品質の安定化などに一定の効果はあったものの、依然として課題も残っていたという。

 「当時、印刷部門を統括していたのは神宮路の前任者で、実習生のオペレータを指導する際、従来からの職人的なやり方を教えていた。しかも、基準の濃度を現在よりも全体的に高めに設定していたので、なおさら色を合わせるのが難しかった。オペレーターはやり方を覚える段階から苦労していた。色基準をつくり、年2回のQC Navi(当時は『プリントナビゲーション』)の定期診断によって品質のブレをある程度抑えられたのはよかったが、作業効率が大きく改善するところまでは至っていなかった」(川口マネージャー)


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診断時に使用するチャートと報告書

 そこから状況が進展したのは約3年前。印刷部門の責任者が交代し、神宮路氏が統括することに。これを機に、色基準を再度見直すとともに、色の測定方法や機械のメンテナンス頻度など、オペレーションの手順も全面的にアップデートした。

 「それまでの色基準では、仕上がりが少し濃すぎると感じていたのと、『人の腕に依存する色管理』から脱却できていなかったので、あらためて、基準づくりからやり直すべきだと考えた。その際、何をどう改善すべきかを検討する上で、QC Naviの診断結果のデータがとても役立った」(神宮路氏)

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