swissQprint Japan、第五世代機・Nyala5が日本初上陸 ショールームでオープンイベント
刷新された高速・高精度プリント技術を公開
見当精度と効率を高める多数の機能を搭載
そして、見当精度を高めるための機能としては、フラットベッドの特性を活かし、3種類のメディアセットピン「レジストピン」(0.7mm、2mm、3mm)を活用することで、メディアの厚みに応じた精密な見当合わせが可能となっている。
とくに、両面印刷時のレジストピンの活用には工夫があり、「裏面の印刷のときには、レジストピンの位置を移動させ、原点を切り替えることにより表裏の見当を正確に合わせることができる」(田中氏)とのノウハウが披露された。岡部副社長は「機械に内蔵されているメカ式のピンによる位置合わせを行うプリンタもあるが、当社のプリンタではねじ止め式のピンを使用しており、より正確な位置合わせが可能」と、その優位性に自信を見せた。言うまでもなく高生産性を支える「タンデムモード」も健在。これはテーブルを前後に分割し、片方で出力中にもう一方でメディアのセットを行うことで、連続稼働が可能となる機能である。
さらに、保守性に優れた機能としては「ドリズル機能」がある。これはUVインクヘッドの乾燥を防ぐため、一定時間ごとに微量のインクを吐出する仕組みとなっており、田中氏は「仮にジョブの停止時間が空いても、再クリーニングすることなく安定した印刷が行えるため、廃インキの抑制によるインクコストの低減と、ヘッドを保護する両面に効果がある」と説明した。
FESPAで2つのEDPアワード受賞
これらの数々の進化が評価され、swissQprintは5月8日にベルリンで行われたFESPA Global Print Expo内の授賞式において、2つのEDPアワードを受賞した。
1つは、Nyala5がラージ&ワイドフォーマットプリント部門で「ベスト・フラットベッド/ハイブリッド150-400平米/h」に選ばれたもので、もう1つは画像の角度によって色彩が変化する特殊技術「ピラミッドプリント」が「ベストデジタル装飾・ワイドフォーマット」に選ばれた。

「ピラミッドプリント」は、レンチキュラーのように特殊な基材を必要とせず、任意の平滑シートに対応可能であり、「swissQprintプリンタの精密な着弾制御があってこそ成立する、高度な技術である」と岡部副社長は自信を見せた。
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今回のオープンイベントは、swissQprintの世界水準の技術と品質を、国内市場に改めて提示する機会となった。確かな進化を遂げた第五世代は、ユーザーの創造力をこれまで以上にリアルな作品としてカタチにできる存在となっている。