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視点の行方

2018年の国内オフィス/ホームプリンティング市場は前年比2.5%減

印刷ジャーナル 2019年6月25日

 IDC Japan (株)は、オフィス/ホームプリンティング市場の2018年支出額実績と2023年までの予測を発表した。これによると、国内オフィス/ホームプリンティング市場の2018年の支出額全体は、前年比2.5%減の1兆8,621億500万円。IDCでは、国内オフィス/ホームプリンティング市場は今後緩やかな縮小を続けるとみており、2018年〜2023年の年間平均成長率(CAGR)をマイナス1.9%、2023年の支出額が1兆6,893億8,600万円となると予測している。
 2018年の支出の内訳は、ハードウェア購入/保守支出が7,571億4,100万円(全体の40.7%)、ページボリューム関連支出が1兆515億3,300万円(同56.5%)、プリント関連ビジネスが534億3,100万円(同2.9%)。主要な支出セグメント別の予測では、ハードウェア購入/保守支出が2023年に7,141億9,600万円(2018年〜2023年のCAGRでマイナス1.2%)、ページボリューム関連支出が9,196億700万円(同CAGR マイナス2.6%)になるとみている。
 ハードウェア購入/保守支出のうち最大のレーザーMFPへの支出額については、オフィスにおける底堅い買い換え需要があるため、2019年〜2023年のCAGRでマイナス0.3%と予測している。一方、同じく主にオフィスで使用されるレーザープリンターについては、MFPへの集約やワークフロー電子化などの影響によって同CAGRがマイナス6.4%となるとみている。また、主に家庭で使用されるインクジェットMFP/プリンターは、スマートフォンの普及によるプリント機会の減少、電子メールやソーシャルネットワークなどの影響による年賀状の減少、機器性能の成熟化による買い換え期間の長期化といった影響で、出荷台数が継続的に減少、出荷額も同CAGRでマイナス4.8%となると予測している。
 国内オフィス/ホームプリンティング市場における最大の支出セグメントはページボリューム関連支出。ページボリューム関連支出には、ページ単価契約に基づく支出や消耗費購入が含まれる。IDCでは、大企業を中心に働き方の変革、ワークフロー電子化などが進むこと、ホーム市場におけるプリント量の減少も続くとみている。2018年〜2023年のCAGRでは、レーザーMFPからのプリントに関連する支出減少はマイナス1.0%に留まるものの、レーザープリンター関連支出はマイナス3.7%、インクジェットMFP/プリンター関連支出はマイナス6.5%となるとみている。
 IDCでは、ベンダーによって提供される複合機/プリンターに関連するソフトウェアやソリューション、あるいはサービスをプリント関連ビジネスと呼んでいる。ハードウェア購入/保守支出、そしてページボリューム関連支出が縮小する中、多くのベンダーがこのプリント関連ビジネスの売上拡大に注力しており、IDCでは、プリント関連ビジネスは2018年〜2023年のCAGRで0.8%の成長を続け、2023年には555億8,400万円の支出額となると予測している。