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エコスリー、ロボット活用でプリプレス工程を省力化[Robot Loader]

多能工化促進に貢献〜5種プレートを毎時80版装填

 プリプレス工程のファクトリーオートメーション化(FA化)を提唱するエコスリージャパン(株)(岡本勝弘社長)は、労働力不足に悩む印刷業界に対し、CTP工程からのアプローチとして「仕分け作業」「プレート装填」の自動化・省力化を提案。日本国内でもすでに納入実績のある「プレート・トランスポーテーション・システム(PTS)」に加え、ロボットアームを使ったプレートローディングシステム「ロボット・ローダー」をラインアップし、プリプレス工程におけるロボット技術活用の効果を訴求している。

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Robot Loader

省力化は事業継続における経営課題

 慢性的な労働力不足が叫ばれる中で、2024年の労働人口自体の数字は増加している。これは女性労働者と高齢労働者の増加によるものだが、印刷現場での採用の中心である高卒就職者の2025年の求人倍率は過去最高の3.7倍となり、人手不足状況下での「若手人材の獲得競争の激化」が浮き彫りになっている。

 「印刷会社における省力化は喫緊の課題」と語るのは、エコスリージャパン セールス&マーケティング本部 東日本営業部の中野崇大マネジャー。「実際に『仕事はあるが人がいないため機械を稼働させることができない』という話も聞く。省力化=コストメリットというよりも事業継続における経営課題として捉えるべき時に来ている」と話す。


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中野 氏

 省力化(FA化)が進む欧州、とくに国策として「インダストリー4.0」を推進するドイツでは、賃金の上昇や労働時間の制約、移民政策によるスキルの不均衡化、国際的な競争力の維持、ESG経営への移行など、単に労働力不足だけではない、多岐にわたる省力化推進の背景がある。

 日本においても、2019年の働き方改革関連法施行にともなう労働時間の制約や物価高騰にともなう賃上げの機運も高まっている。中野氏は「今後、日本の印刷業界も欧州同様、労働力不足以外の観点からも省力化に取り組む必要性が高まる」とし、同社の主要事業であるプリプレスソリューションにおいても、省力化に向けた提案を強化しているという。

 「DTPやワークフローRIPなどのソフトウェアの進化、CTP自体の高速化により、現在、プリプレス工程は他工程に比べて省力化の取り組みが先行している。さらに当社が20年前から販売する現像レスプレートも寄与している。自動現像機の管理と給水・廃液配管が不要になることで設置場所の制限が緩和され、印刷機や制作室の近くにCTPを設置する印刷会社が増加した。これにより、多能工化が促進され、印刷オペレーターや制作オペレーター、近年ではデジタル印刷機オペレーターがCTP工程を兼任するケースも多くなっている」(中野氏)

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