2016年10月3日
CNFバリア紙カップのサンプル(左)と層構成図(右)
凸版印刷(株)(金子眞吾社長)は、新素材「セルロースナノファイバー(以下「CNF」)」をコーティングした紙器の開発を推進しているが、今回その第1弾として、酸素バリア性を持つ食品向け紙カップを開発。2017年3月よりサンプル出荷を開始する。なおCNFを活用したバリア紙カップは同製品が日本初となる。
CNFは、紙の原料となる木の繊維を1ミクロンの数百分の一以下であるナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材。「軽くて強い」「熱変形が小さい」などの特長があり、自動車、家電、塗料や繊維などさまざまな分野で新素材として期待されている。
凸版印刷は今回、CNFの持つ酸素バリア性に着目。紙基材にCNFをコーティングすることでバリア層を形成し、食品の酸化劣化を防ぐ環境配慮型の新製品を開発した。
また、匂いに対するバリア性も併せ持つため、保香性や保存時の移り香防止にも効果がある。