2022年4月22日
ルドルフ・ミューラー会長
3年ぶりに来日し、(株)アイワードの「製本システムのスマート化」公開に立ち会ったミューラー・マルティニジャパン(株)のルドルフ・ミューラー会長が、世界の印刷製本産業および自社の状況についてスピーチした。
コロナ禍の影響について「2020年第1四半期は、機械販売、スペアパーツ、サービス事業が大幅に落ち込んだ。とくに渡航の制限はサービスに影響を及ぼし、新台の納入にも若干の遅れが生じた」と説明。一方、コロナ禍における出版市場の需要増に言及。とくに米国とヨーロッパでは労働力不足と紙の供給コスト増大という新たな課題に直面しているという。
また、「最小1冊から」という書籍市場の構造的変化に対し、「デジタル印刷による効率化がさらに重要」との認識を示した。
ミューラー・マルティニ社の戦略についてもスマートファクトリーとフィニッシング4.0の重要性を強調。「市場の構造的変化に対応するためには生産が完全に自動化され、製本の生産プロセス全体を通してネットワーク化されなければならない。目標は単一のタイトルの100部と実質的に同じ速度で、製造過程への人の介入なしに、100の個別の本の製本を行うデジタル製本システムである。これは、我々が重視する主要なイノベーションのひとつだ」(ミューラー会長)