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新和製作所、「エナジー・エリート」で乾燥促進印刷強化

「設備を持った広告代理店」〜ディスプレイの構造設計に強み
新和製作所 山崎康成社長 × エコスリー 神前裕樹本部長

同業者を技術で繋ぐエコスリーを評価

山崎 エコスリーとのパートナーシップは、技術面はもちろんだが、やはりきめ細かな対応が大きな決め手となった。とくに同業間のコネクション的役割については、非常にありがたい。お陰で多くの人脈を築くことができた。

神前 ありがとうございます。当社はオフセットのプリプレス専業メーカーです。そこに集うお客様は同じベクトルをもっています。このお客様同志を繋げるコネクションづくりは非常に大きな意味を持ち、大切な視点だと考えています。

山崎 現在、当社が中心となってパッケージ会社5社によるオープンな技術交流部会を運営している。これはエコスリーの紹介がなければ成り立っていない。非常に感謝している。

神前 多くの会社が技術をオープンにすることを嫌う傾向にあります。とくにパッケージ分野はそうではないでしょうか。同様の課題を抱える会社が互いに解決策を導こうとすれば、そこでアイデアの数も違うし、スピードも違ってきます。業界にとっても非常に有意義な取り組みだと思います。

山崎 互いにノウハウを共有できるメリットは想像以上に大きい。将来的にはオペレータの交換留学的な取り組みも視野に入れている。


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アバロンN8+エナジー・エリート

神前 御社では、2018年に当社のCTPセッター「アバロンN8」と優れた耐薬品性能を持つプレート「エナジー・エリート」をご採用いただいております。同プレートは、バーニング処理を必要とせずに高い耐刷性を保ち、UVインキやメタリックインキとの相性も良好なプレートです。御社での採用のきっかけとなったポイントはどこにあったのでしょうか。

山崎 エナジー・エリートは、砂目の構造やハイライト・シャドー部の表現に特徴がある。そこに着目し、乾燥促進印刷へのアプローチをより強化することで水を絞り、さらに品質を上げたいと考えた。およそ7年前の導入から非常に安定している。これは最も重要な効果だと思う。

 耐刷については余裕を持って2万枚程度を目安にしている。予備版はほとんど必要ないことから、コストメリットにも繋がっている。

 さらに高精細スクリーニング「スブリマ」も採用理由のひとつ。現在は、「高精細による差別化提案」というより、モアレやトーンジャンプといった印刷トラブルの回避策のひとつとして運用しているケースが多い。これは非常に有効である。

神前 パッケージ業界でも「刷版工程の無処理化」に取り組む会社が出始めています。当社としては、シビアな品質を要求される仕事に対しては、まだまだ現像タイプが有利だと考えます。

 全工程に対する印刷の比率が高い商業印刷に対し、パッケージは印刷で何かトラブルがあった場合、残りの約8割に当たる後加工に影響が出てしまいます。そう考えると慎重にならざるを得ないのです。

 なかでもポジとネガで品質が変わってしまうため、この切り替えが難しいところです。当社ではいつでも無処理化を提案できる体制にありますが、御社の仕事内容を考慮すると、慎重に進める必要があると感じています。

 その間を取ったひとつの提案として、ガム処理タイプのプレートも有効です。これもネガタイプになりますが、耐刷性という面ではクリアできると思います。いずれにせよ、当社からは常に最新の情報を提供して参ります。

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パッケージサンプル

企業の持続可能性の源泉は「人づくり」

山崎 パッケージおよびディスプレイの市場規模は今後もそう変わらないと見ている。しかし製造工場、いわゆる供給側がシュリンクすることで、1社あたりの売上は増えるだろう。そのスピードは分からないが...。言い換えれば「設備ができる会社」が生き残るとも言える。

 しかし、その基盤になるのは、間違いなく「人」であり、ここがなければ生き残れないのは明白だ。そのためにも労働環境や待遇についても改善していく必要性を痛感している。これは「社員教育」ではなく「人づくり」。ここが求められるようになると強く感じる。

 一方で、「省人化」という観点からも機械で解決できる部分は積極的に投資していく。ただそれ以外の部分では、1人でやっていることを1.5人になってもかまわないので、現場で働く従業員の精神面、肉体面を含めた負担を軽減していきたいと考えている。

神前 そのような御社の考え方に対して、エコスリーはプリプレス工程からサポートできる体制を整え、パートナーとしての機能を強化してまいります。

 本日はありがとうございました。

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