ユニオン紙器、オンデマンド段ボール加工機を導入~生産力と品質強化へ
KBD AutoSlotter導入事例
段ボール製品の設計から製造、販売まで一貫して手掛けるユニオン紙器(株)(本社/横浜市栄区、森省吾社長)が、生産体制のさらなる強化に動き始めた。足柄上郡中井町の第二工場に、(株)光文堂が展開するオンデマンド段ボール加工機「KBD AutoSlotter AB2500」の国内第1号機を導入。縦・横方向の罫線入れや切り込みをワンパス化し、生産効率と安全性を高めるとともに、最大2,500ミリ幅への対応で加工領域も大きく広げた。同製品を販売する(株)SINACO(浅松格社長)、技術サポートする(株)上田紙工機(小山年正社長)と連携しながら、小ロット・多品種時代に対応した「選ばれるボックスメーカー」への進化を加速させていく。

同社は段ボールシートを仕入れ、設計から二色印刷、加工、製函、販売までを一貫して手掛けるボックスメーカー。製品のアッセンブリーや梱包・発送、メーカーのカタログ発送などにも対応するほか、副資材として化成品の緩衝材やプラダンなども取り扱い、包装から物流まで顧客の幅広いニーズに応えている。
中でも同社が他社との差別化を図る上で強みとしているのが「設計力」だ。顧客から提供された製品図面をもとに、その製品に最適な梱包材や段ボール緩衝材を設計。弱電メーカーなど、輸送時の品質が厳しく求められる案件では、落下試験をクリアできるよう計算した上で緩衝材を設計・製作するなど、単に箱を製造するだけではない付加価値の高い提案につなげている。森社長は「サンプルカッターを導入したことを契機に設計部門を立ち上げ、設計から製造まで一貫して対応できる体制を整えてきた」と話す。
同社は横浜市栄区の本社工場に加え、足柄上郡中井町に第二工場を構える。本社工場には印刷機やスリッターなど製函に必要な設備が揃う一方、第二工場については段階的に生産機能を拡充してきた。
そのスタートとなったのが2018年。以前から取引のあるSINACOからサンプルカッターを導入し、その後、2022年頃から印刷機やグルアー貼り機などを順次導入。第二工場における製函の内製化を着実に進めてきた。
しかし、そこに残された一つの課題があった。段ボールシートに罫線や切り込みを入れるスリッターが第二工場にはなかったことだ。このため、第二工場で使用する製品についても本社工場で加工した後、第二工場まで横持ちする必要があり、時間と物流の両面でロスが生じていた。
さらに、本社工場の既存スリッターは、基本的にシートの流れ方向への加工に限られるため、縦・横双方に罫線や切り込みを入れる場合には、シートを2回通す必要があった。生産効率だけでなく、搬送時にシートを押さえて送ることから、2回通すことで段ボールの厚みが多少潰れてしまうという品質面での課題もあった。
こうした課題を解消し、第二工場の生産機能をさらに高めるため、森社長は新たなスリッターの導入に着手。展示会などで複数メーカーの設備を見て回り、比較・検討する中で出会ったのが「KBDオートスロッター AB2500」だった。
「色々なメーカーの機械を見ていた中でKBDオートスロッターを知り、『この機械だ』と感じた」と森社長。その決断を支えたのは、機械そのものの機能だけではなかった。国内第1号機という未知の設備だからこそ、同社が重視したのが、導入後まで安心して任せられる販売・技術サポートの存在だった。
長年の「信頼」が国内初号機の導入を後押し
KBDオートスロッターの選定にあたり、同社では他社設備についても展示会などで比較・検討した。処理スピードや価格面では大きな差は感じなかったという。その中で最終的な決め手となったのは、スペックや価格だけではない。販売を担うSINACOと、技術面で連携する上田紙工機への「信頼」だった。
森社長は「一番はSINACOさんと上田紙工機さんとのこれまでのお付き合いによる信頼。保守やサービスを含め、全面的にバックアップしてもらえるという安心感があった」と明かす。
同社とSINACOとの付き合いは約10年に及ぶ。2018年に第二工場へ導入したサンプルカッターも同社から購入しており、長年の取引を通じて築いてきた関係が、今回の設備選定でも大きな意味を持った。
とりわけ今回は国内第1号機。海外では導入実績があるとはいえ、国内に同型機の稼働実績はなく、導入後の保守・サービスは重要な判断材料となる。森社長は「機械そのものが良くても、メンテナンスがしっかりしていなければ不安が残る。その点で安心して導入することができた」と話す。
その安心感を技術面から支えているのが上田紙工機である。森社長が両社の強みとして挙げるのは、故障した部品を単に交換するだけのアフターサービスではない。
「レスポンスがいいことはもちろんだが、単に部品を交換して直すだけではなく、『技術と提案』という部分まで一緒に話ができる。『こんなことをやりたいが、できないか』という相談もできるし、商売のやり方まで含めて相談できる。そこがSINACOさんと上田紙工機さんの強みだと思う」
実際、導入後も大きなトラブルは発生していないが、国内第1号機だけに同社自身も機械の特性を把握しながら、SINACO、上田紙工機と相談を重ねて運用ノウハウを蓄積している。
SINACOの浅松社長は、今後の長期使用を見据えた対応についても言及する。例えば経年変化などによって搬送精度に課題が生じた場合には、上田紙工機が大型打抜機などで培ってきた技術を生かし、シート搬送部に同社の「ゼロクラッシュロール」を活用するなど、必要に応じて一部部品を国産品へ置き換えることも選択肢になるという。
つまり、海外製設備をそのまま販売するのではなく、国内のユーザーが安心して使い続けられるよう、SINACOと上田紙工機が現場に合わせて技術的な解決策を提案する。その体制まで含めて、同社はKBDオートスロッターを選んだのである。
こうして2025年末、第二工場でKBDオートスロッター AB2500が稼働を開始した。そして、その効果は森社長が当初期待していた工程の効率化だけにとどまらなかった。










































