フンケラーで「ギャップを埋める」[ミューラー・マルティニジャパン 五反田隆社長に聞く]
ダイレクトメール、商業印刷、出版にフォーカス
モジュラー形式で柔軟なライン構成
デジタル印刷製本への移行はそう簡単ではない。しかし、従来型の印刷製本ではコストや技術面で困難になる仕事もあり、実際、取りこぼしている仕事も多いのではないだろうか。フンケラーのソリューションは、このデジタルと従来型の狭間にある「誰も手を付けたくない」「面倒」「小部数」「短納期」という、いわゆる「ギャップ」を埋められる方法のひとつである。この部分を日本市場に訴求していきたいと考えている。
フンケラー製品はモジュラー形式を採用し、要望によって組み合わせることができる。ショールーム機は、給紙、断裁(縦横)、スタックというシンプルな構成だが、例えば、断裁の前にミシンを入れるとクーポンやバウチャーができ、また給紙と断裁の間にプラウを入れると4ページの折り物ができる。従来の「専用機」ではなく、フレキシブルなライン構成が可能なため、初期投資を抑え、将来的にはアップグレードも可能で、市場変化や事業成長に応じた機械構成ができるのが特長である。
PODからのデジタルシート加工
フンケラー社は、デジタルシート加工の需要拡大に注目している。デジタル連帳機に対して、プロダクションプリンタへの投資は小規模で、すでに普及が進んでいる。現在、このA3のPODのシート加工については、おそらく2つ折りか断裁するくらいに留まっている。フンケラー機ならば、折った4ページのブックブロックをつくることで、出版、さらにはブックオブワンができる。4ページ単位でブックブロックを作れるため、ブランクページも少ない。
8,000枚/時のフンケラー機で、A3からA5の本を作るとすると1枚で8ページのブックブロックができ、約6万4,000ページの本が作れる。例えば300ページの本ならば200冊/時以上の本ができるわけだ。この生産性ならば充分、商業ベースに載せることができる。また、シートはロールよりも紙の種類が多く、紙を選ぶ出版に向いているように思う。
「ギャップを埋める」という意味ではシートの方が現実的であり、既設のプロダクションプリンタの活用範囲を広げることもできる。

デジタル印刷製本で大量生産も
デジタル印刷製本は、大量生産や通常の出版印刷には「不向き」と言われるが、実際はそうではない。欧米では、これまでのオフセット印刷製本の代わりに、部数もそのままでデジタル印刷製本に移行している事例が多く見られる。その背景には「人件費」がある。製本工程で最も人手を要する丁合作業が、デジタルならば不要であり、また乱丁、落丁もなく、検査装置の設定時間も不要。基本的に人的ミスも起こらない。
私が見学したフランスの会社では、3〜5万部の本をデジタルで生産していたが、印刷からブックブロック、無線綴じまでのラインを2名で管理していた。デジタル印刷製本は人員を大幅に削減できることから、人件費が高い欧米では、ある程度のロットでもデジタルとオフセットのトータルコストに差が出ない。ミューラー・マルティニやフンケラー機は連続稼働に耐えうる筐体の堅牢性もあり、デジタル印刷製本は決して小ロットだけではないということを改めて強調したい。
私は、印刷品質、紙、納期に指定がなければコストの安い印刷方法を選択し、指定があればコストアップに見合う請求をすればいいと考える。「デジタルかオフセットか」という選択基準は、ここに集約される。
2026年は、プリンタメーカーとも協業しながら定期的にオープンハウスも開催し、ミューラー・マルティニ+フンケラーだからできるソリューションを日本の市場に訴求していきたい。












































