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視点の行方

ビデオ(動画)広告が5,000億円突破

印刷ジャーナル 2022年4月5日

 国内電通グループのデジタル広告領域を牽引する4社(CCI/D2C/電通/電通デジタル)は、電通が発表した「2021年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2021年の予測を加えた「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

 それによると2021年のインターネット広告媒体費は、2兆1,571億円(電通「2021年日本の広告費」より)。そのうち構成比が高いのは検索連動型広告(37.0%)とディスプレイ広告(31.8%)で、あわせて約7割を占める。ビデオ(動画)広告は前年比132.8%の5,128億円と大きく伸長し、初めて5000億円を突破した。また、2020年までディスプレイ広告に含まれていたタイアップ広告を、2021年ではその他のインターネット広告に含むことに定義変更しており、その結果、2021年のタイアップ広告はおよそ300〜350億円規模と推計している。

 インターネット広告媒体費を取引手法別に見ると、現在の主流となっている運用型広告は前年比126.3%の1兆8,382億円で、インターネット広告媒体費全体における構成比は85.2%となった。予約型広告は前年比111.1%と伸長したものの、運用型広告が拡大の一途をたどり、構成比は10.4%に縮小。一方成果報酬型広告は前年比95.4%と減少が続く。

 取引手法別・広告種別では、運用型の「検索連動型広告」がインターネット広告媒体費全体の37.0%と最も構成比が大きく、次いで運用型の「ディスプレイ広告」が28.1%と続いている。運用型の「ビデオ(動画)広告」が前年比133.8%と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体における構成比は19.9%となった。運用型の「ディスプレイ広告」も前年比134.1%と大きく伸長した。

 ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は前年比134.3%の7,640億円と大きく伸長し、インターネット広告媒体費全体の35.4%となった。また、ソーシャルメディアの種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」に分類すると、「SNS系」が3,168億円で最も規模が大きい。

 これらの結果を踏まえ、2022年のインターネット広告媒体費も継続的に伸長し、前年比115.0%の2兆4,811億円まで拡大すると予測している。