「KBD V-Color」で特色インキを簡単に調色
手間とコスト、時間を削減、生産性も向上
プロセスインキでは表現できない色鮮やかな色域も表現できる「特色インキ」。しかし、価格の値上げで一層コストがかかるようになった上に、手間もかかるため、敬遠する印刷会社も少なくない。そんな中、(株)セントラルプロフィックス(本社/東京都中央区、田畠義之社長)は、(株)光文堂が提供するカラーステーションシリーズ「V-Color(印刷インキ用CCMシステム)」を活用することで、特色インキを自社で高精度に調色できる体制を整え、多くの特色印刷をストレスの低減を実現しつつ受注している。今回、同システムの活用により、同社がどのようなメリットを享受しているのか話を聞いた。

製版業から総合印刷業へ、近年はデジタル印刷機で新たな展開
同社は、1950年に製版業としてスタートした企業である。当時の社名は「(株)セントラル・プロセス社」。現在の社名は、プロフェッショナルとグラフィックスからの造語であるという。豊洲工場(東京都江東区)の佐野正浩工場長は「当社はアナログ製版から始まり、高品質の写真製版に非常に強みを持っていた」と自社の歴史を振り返る。しかし、時代の流れとともに製版の仕事だけでは限界を感じ、印刷業へのシフトが不可避となった。そして、DTPが台頭し始めたころから製版だけでなく、印刷も一貫して対応できるように手を広げるようになった。

2008年に豊洲工場を立ち上げ、四六全判印刷機を導入したことで、大判での本機校正・印刷というビジネスモデルを展開した。これは都内でも数少ない四六全判も含め24時間操業の本機校正・印刷ができる工場としてスタートしたものである。佐野工場長は「当社は一社で仕事を完結できることが大きな強みである。本機校正するような品質要求度の高い印刷物で、品質的な問題が出た時、データなのか版なのか、インキなのか、紙なのか、はたまた印刷機の問題なのか、しっかり判断ができ、正しく修正を加えられる。それぞれの分野の強みを合わせたシナジー効果により、安定した高品質な印刷を行うビジネスモデルを確立した」と説明する。
同社は、その後も印刷機の増設を続けてきたが、コロナ禍により大きな赤字を出す事態となった。そんな状況下、兼ねてからテスト検討していたデジタル印刷機Jetpress750sを2021年に導入し、オフセットレベルの印刷品質を維持しつつ、B2サイズの小ロットにも対応できる新たな体制を整えた。同社はこれまでもデジタル印刷機としてIndigoを活用していたが、「Jetpress750sはサイズや品質安定性、ガモットの広さにおいて我々にとっても大きなメリットである」と佐野工場長は話す。
これにより、同社はオフセットとデジタル印刷の両方をさらに活用することができるようになり、得意先のリクエストへの対応力をより高めることができたのである。
