圧倒的な処理能力[Form Magic 5導入事例]
エラーによる時間的ロスを排除
群馬県に本社を置き、地域に根差した総合印刷業を展開する上毎印刷工業(株)(本社/群馬県前橋市天川大島町305-1、小口有高社長)は、富士フイルムの高機能自動組版ソフト「Form Magic5」を活用し、DMやチケット、One to Oneカレンダーなどのバリアブルデータ制作の効率化を図るとともに、新たな付加価値提案に向けた体制づくりも進めている。Form Magicの導入によって、制作現場ではどのようなメリットが得られているのか。最新版の機能に対する評価なども含め、小口社長をはじめ、工務部 営業企画開発課・制作課 課長の児玉律子氏、工務部 制作課の稲川典恵氏に話を聞いた。

従来ソフトは処理の遅さとUIのわかりにくさがネック
同社は、1926年(大正15年)に活版印刷業として創業し、間もなく100周年を迎える老舗印刷会社。現在は、商業印刷物をはじめ、書籍類、DM、POP、カレンダー、各種ノベルティなどを幅広く手がけるほか、最近では3DCGやVR、動画などのデジタルコンテンツ制作、データ分析や効果測定といったマーケティングサポートにも事業領域を広げ、紙とデジタルを複合的に活用した販売促進提案に力を入れている。
同社が手がける販促用印刷物には、DMやチケットなど、可変情報(宛名、ナンバリングなど)を含むものも多い。こうしたバリアブルジョブも、データ制作から一貫して手がけているが、従来は、Adobe InDesignのプラグインソフトを使用してバリアブル印刷データの作成を行っていた。ただ、このソフトウェアは、安価で導入しやすい反面、データの処理能力や使い勝手などの面で課題も多かった。
「従来のソフトは、2万件ぐらいのデータを書き出そうとすると一晩かかってしまう。夜間に処理を進めておき、翌朝、無事に完了していればまだいい方で、途中でエラーが出て止まっていた、ということも珍しくなかった」(児玉課長)
また、インターフェイスもあまり馴染みやすいものではなく、「初心者がすぐに使いこなせるようなものではなかった」(児玉課長)ため、オペレーションが属人化していることも課題のひとつだった。
こうした状況を改善すべく、新たなバリアブルソフトを検討していたところ、FFGSからForm Magicの提案が。最終的に導入を決めた理由について、小口社長はこう語る。
「お客さまの販促をサポートしていく上で、今後、宛名だけでなくデザインなども含めてさまざまなバリアブルに対応していくことが必要だと考えた。そのためには、高機能で汎用性に優れたツールが欠かせない。Form Magicは、従来のソフトに比べて価格は高いが、その分、高度な機能が備わっており、作業効率の改善も期待できたので、制作環境の強化のために思い切って導入することにした」
児玉課長も、「まず、処理スピードの速さに驚いた。これなら制作時間が相当短縮できると。また、自動処理の機能が豊富でUIもわかりやすいので、作業のストレスがかなり減ると感じた」と語る。

エラーによる後戻りがなくなり、印刷側の無駄な待ち時間も解消
Form Magicの圧倒的な処理能力について、オペレーションを担当する稲川氏はこう話す。
「これまでの何倍...どころではなく、比較にならないぐらい速い。InDesignで丸1日かかっていたジョブが、内校なども含めてわずか2~3時間でこなせる。データ量が極端に多くなければ、体感的には一瞬で終わってしまう」
また、「予期せぬエラー」がなくなったことで、安心感も高まったという。
「これまでは、まず50件ほど通して問題なさそうであれば残りを処理するというやり方をしていたが、それでも途中でエラーが出て停止してしまうケースがあった。その点、Form Magicでは、プレビュー機能で組版結果を確認してからスタートできるし、万が一、問題になる箇所があれば、その位置を明確に知らせてくれるので、時間をかけてエラーの原因を探す必要もない。そのため、確認や修正の作業が大幅に減った」(稲川氏)
Form Magicの処理の速さと安定性は、印刷部門の生産効率にも波及効果をもたらしている。
「データ書き出しの時間が読めるようになったので、印刷工程でのスケジュールが立てやすくなった。以前のように、エラーで処理が遅れて印刷開始時間がずれ込むといったトラブルがなくなり、時間的なロスが大幅に削減できている」(児玉課長)
大ボリュームのデータを簡単に分割処理できる点も、運用上の大きなメリットになっている。
「大量のバリアブルデータを一括で出力すると、POD機を長時間占領してしまうので、データ処理を小出しにすることがあるが、たとえば、1万件のデータを1,000件ずつ書き出したいとき、Form Magicに数字を入力するだけで分割処理してくれる。このような設定が柔軟に行えるのも魅力」(児玉課長)

新規受注の獲得など、営業面にもメリット
同社は、こうしたForm Magicの処理能力や機能性を活かし、かつて宛名やナンバリングが中心だったバリアブル印刷の仕事の幅を徐々に広げている。
たとえば、メインクライアントの一社である生命保険会社に提案して採用されたのが、写真入り記念日カレンダー。顧客それぞれの「My記念日」と好きな写真を入れた、卓上タイプのOne to Oneカレンダーだ。このアイテムはバリアブルの要素が多いことから、独自に入稿フォームを作成し、Form Magicと連携させる仕組みを構築。顧客自身が写真や記念日などを入力し、その情報をForm Magic上でテンプレートに流し込むというフローにより、入稿からバリアブルデータ生成まで、効率的にミスなく運用することを可能にした。
「最初にForm Magicでテンプレートをつくるところは、慣れないので少し時間がかかったが、一度つくってしまえば次の年からは日付を少し移動するだけで流用できるので便利。最近のアップデートで文字やオブジェクトの整列がより簡単になり、移動も0.1ミリ単位でできるようになったので、微調整もしやすくなった」(稲川氏)
また、従来はInDesignプラグインソフトでバリアブルデータ生成後、文字あふれの修正や文字詰めの調整など、人手による作業が必要だったが、Form Magicではこれらが自動処理されるため、大幅な省力化が図れ、ミスのリスク削減にもつながっている。
このように、煩雑な手作業をほとんど必要とせず、付加価値の高いアイテムを制作できるようになったことは、営業面でも大きなプラスになっている。最近、新規で受注した仕事としては、昨年から手がけている地元プロバスケットボールチームのチケットがある。これは通し番号のナンバリングだけでなく、日付や座席番号、さらには絵柄も1部ずつ異なるというフルバリアブルのジョブだ。
「直近のものは、18枚綴りでトータル約1,500部というボリュームで、1枚ごとに異なる画像が入っているためデータとしてはかなり重いものだったが、Form Magicは大容量のデータをものともせず、スピーディーに処理してくれた」(児玉課長)
最新出力機との組み合わせで、付加価値提案
同社は今後も引き続き、バリアブルを活かしたより多彩な付加価値提案に取り組んでいく考えだ。
「たとえば、お客さまの年齢や嗜好に合わせてデザインを可変するなど、よりパーソナライズされた、効果的な印刷物を提供していきたい。Form Magicの本来の強みもそういうところにある。そのポテンシャルをもっと活かせるよう、研究を重ねていきたい」(小口社長)
一方、昨年秋には新たな出力機として、富士フイルムのプロダクションプリンター「Revoria Press EC2100」が稼働を開始した。小口社長は、「一段と進化した生産環境を活かして、小ロット・高付加価値ニーズへの対応力をさらに高めていきたい」と期待を込める。
「これまで、制作側はForm Magicによって格段に効率が上がったものの、印刷側がそれに見合った生産性を発揮できないケースがあった。しかし、EC2100はスピードも速く、自動検査装置によって信頼性も担保できる。しかも、CMYKに特色1色を加えた5色プリントが可能なので、デザイン表現の幅もぐっと広がると思う。Form MagicとEC2100を上手く使いこなすことによって、よりクオリティの高い、独創性に富んだ印刷物をお客さまに提供できるようになると考えている」(小口社長)











































